「どの鳥さんも、何らかの役割を持って生まれてきている」
突然何言ってるんだと思われた方もいらっしゃるかもしれません。
でも、私はそう思っています。
私はコザクラインコのトリちゃんに出逢って、鳥さんの魅力を知りました。
可愛い見た目、仕草、表情の豊かさ、賢さ。
トリちゃんはそういった鳥さんの愛らしさを毎日私に教えてくれました。
「ペットと言えば犬」という頭だった私は、トリちゃんにすっかりと洗脳させられ、気付くと私は鳥さんのことが大好きになっていました。
トリちゃんからは、鳥さんとの生活が手離しで楽しいばかりではないことも教わりました。
可愛い顔してガブガブ容赦なく噛んでくること。
発情からの産卵(※トリちゃんは生後1年しないうちに2度産卵しています)。
鳥さんの病気(※トリちゃんはお迎え後の初めての健康診断でBFD陽性であることが分かりました)。
私はそういった経験から、鳥さんについていろいろと学ぶことになりました。
トリちゃんとの生活を通して、「他の可愛い鳥さんも見てみたい」と思い、(当時)トリちゃんをメインとした新しいInstagramのアカウントを作って、投稿を開始しました。
そこからたくさんの鳥好きさんとの繋がりができました。
今では多くの方と仲良くさせてもらっています。
SNSの投稿から、いろいろな鳥さんの存在を知り、サザナミインコやウロコインコもお迎えしました。
ヨウムさんというとても賢い大型のインコさんの存在を知ったのもこの頃です。
ヨウムさんは長寿なので「最期まで看取れないから」という理由でお迎えするのを諦めようとしたこともあります。
でもそんなときにNPO法人TSUBASAの存在を知り、「里子として鳥さんをお迎えする」という考えに至りました。
そうやって出逢ったヨウムの空ちゃんは、私にとって人生の相棒と呼べる存在です。
空ちゃんと暮らすようになったことで、「ハーネスをつけて鳥さんと一緒にお出かけする」というそれまでにやらなかったことにも挑戦するようになりました。
そこでさらに鳥好きさんとの輪が広がりました。
同時に「ハーネスを着けられない鳥さんも参加できる集まりができないかな?」というアイディアも浮かびました。
その考えは「屋内鳥オフ会」という形になり、今も定期的に開催させてもらっています。
そういった活動が評価されたのか、はたまた、ここのブログでのテキトーな鳥さんの話をおもしろいと思っていただけたのか、先日は多くの鳥好きさんの前で鳥さんについての講座をさせていただいたりもしました。
まさか、自分が多くの鳥飼いさんの前で鳥さんの飼育についてのお話をさせていだたくなんて、自分の人生設計の中にはまったくないことでした。
そういった予想もしなかったことが、現に私の人生に起こっています。
こうやって振り返ってみると、今の私のルーツは、2017年にお迎えしたコザクラインコのトリちゃんなんだと思うわけです。
トリちゃんと出逢っていなければ、今の私は絶対にいません。
トリちゃんが私を鳥好きに変え、鳥さんについての知識を吸収させ、いろいろな鳥さんへの興味を持たせ、鳥好きさんとの繋がりを作り、たくさんの鳥さんに囲まれながら鳥さんについての活動をするようにさせた張本人(鳥)なのです。
トリちゃんは私をそういう人間にするという役割を持って私の前に現れたんだと思います。
私のようなレベルで、鳥さんに出逢ったことでここまで人生の針路が変わったという人間は、少し珍しいんじゃないかと思います。
でも、ここまでのレベルではないにしろ、どの鳥飼いさんもお迎えされた鳥さんに何らかの影響は受けてるんじゃないかと、私は思うのです。
つまり、「お迎えされた鳥さんは、何らかの役割を持ってあなたのもとへやってきた」って言ってもいいんじゃないかって思うんです。
「飼い主さんを癒す」という役割かもしれません。
「生涯の友になる」という役割かもしれません。
「鳥さんについての知識を増やす」という役割かもしれません。
「人との繋がりを作る」という役割かもしれません。
具体的にどんな役割なのかをハッキリさせることはできません。
でも、どの鳥さんも何らかの役割を持ってあなたのところに来ているんだと思うのです。
少し悲しい話になりますが、惜しくも若くして亡くなってしまった鳥さんも、何かの役割を持ってあなたのもとにやってきたんだと思います。
一緒に暮らすことができた時間は少なかったかもしれません。
それでも、その子は何かの役割を果たして天寿を全うしたんだと思います。
「あの子を失って、悲しみしか残っていない」
そう思う気持ちは痛いほどわかります。
でもきっと、大きな悲しみの他に、その鳥さんが残していってくれた何かがあると思います。
悔しくも逝ってしまった鳥さんにも、今そばにいてくれる鳥さんにも、「自分のところに来てくれてありがとう」という感謝の気持ちを持つこと。
そう考えることができたら、より幸せになれるんじゃないかな…なんて思います。
それだけではありません。
今後ちょっとくらい鳥さんにガブガブされて血が出たって大したことないよヘッチャラ♪って思えるんじゃない……かな……って……(え、無理?)。
私は毎日トリちゃんに「大きな役割を持ってきてくれてありがとうね」と語りかけています。
語り掛けられながらトリちゃんは「知らねえよそんなもん!」とガブガブ指を噛んでくることもあります。
それでも私の気持ちは変わりません。
いつも楽しい気持ちにしてくれるうちの鳥共には感謝しつくせないくらいの気持ちです。
みなさんも「この子はどんな役割を持って自分のところに来てくれたんだろうか」と考えてみてください。
その答えは分からなくても、きっと鳥さんとの時間がより愛おしく感じられるんじゃないかと思います。
※音声が出ますのでご注意ください。