みなさんは自分の愛鳥さんが何か悪いことをしたとき、どういった対応をしていますか?
例えば、肩にとまっていた愛鳥さんが、イタズラに耳をガブッ!ってやったとき、どういった反応をしているでしょうか?
中には「コラッ! ダメでしょ!」と怒っている方もいらっしゃるんじゃないかと思います。
今回は「インコさんを叱る」ということについて、少し持論を話してみようと思います。
ネットの記事や書籍を読んだり、鳥専門医さんの話を聞いていると、「インコさんを叱るのはよくない」ということをよく耳にします。
「インコさんは基本臆病な生き物なので、怖がらせるのはよくない」
「インコさんは叱った人のことを嫌いになります」
「インコさんは賢いので、怖い思いをしたことをずっと覚えています」
よく言われているのはこんな感じの内容でしょうか。
私もこういった話をよく耳にして、「そうか、インコさんは叱ってはダメだな」と思ってきました。
ですが、「叱る」とは違いますが、「これはダメ」ということをインコさんに伝えることはあながち悪いことでもないような気がしています。
というのも、うちの鳥共が何か悪さをしたときに勢い余って「コラ! ダメでしょ!」と言ってしまうときがあるのですが、そのときに鳥共はちゃんとこちらの話に耳を傾けて、こちらのいつもと違う様子をうかがっている気がするのです。
これまでのブログでもインコさんのトレーニングの方法について何度も取り上げてきました。
こちらが出した「合図」に対してインコさんが望ましい「行動」をしたときに「いい子!」と褒めることで、インコさんは「あ、この行動で正しいんだ」と理解しすることができます。
そのようにインコさんをトレーニングできるのは、インコさんにそういった理解力があるからです。
ということは、インコさんが悪いことをしたときに「ダメ!」と言うことで、「あ、これは良くないことなんだ」ということも理解できる…と理論的には言えると思うのです。
少なくとも、うちの鳥共に「ダメ!」と言った後は「あ、やっちまったみたいだな…」といった態度になるように見えます。
なので、「これはダメ」ということをインコさんがやったときには、「これはダメだよ」と言い聞かせてみるのも1つの手なんじゃないかと思っています。
ただ、これには注意すべき点がいくつかあります。
まず1つ目は、「これはダメ」と言い聞かせることで効果があるか、もしくは、「これはダメ」と言うことで嫌われてしまうかは、大きく鳥さんの個体差によるということです。
「ダメ!」と言われることでめちゃくちゃビックリして「ギャーー!」と逃げてしまい、それ以降「ダメ!」と言った人のことを恐れるようになってしまうインコさんもいると思います。
どのインコさんに対してもダメなものは「ダメ!」と伝えることが有効とは言い切れません。
「ダメ!」と言う際には、自分の愛鳥さんの性格をよく見定めることがとても大事だと思います。
2つ目としては、「体罰」は絶対にすべきではないということです。
犬君のトレーニングでも「体罰」によるしつけというのはいい結果を生み出さないと思っています。
体罰でしつけたとしても、体罰でしつけた人の前でだけ怖々と仕方なく従う感じで言うことをきくようになり、他の人がいくら「おすわり」といっても絶対にききません。
それは本当の意味でのしつけではありません。
インコさんも同じです。
というか、インコさんの場合は「怖々と仕方なく従う」ということはありえません。
単純に体罰をしてくる人のことを嫌いになるだけです。
体罰する人だけが嫌われるならまだいいですが、人から体罰を受けることで、「人間は体罰をしてくる怖い存在」という考えに至ってしまいます。
そうなると、どんな人にも近づかず逃げ惑うようなインコさんになってしまいます。
それはインコさんにとっても飼い主さんにとっても不幸なことです。
なので、「体罰」だけは絶対にしないであげてください。
最後に、「ダメ!」といういつもと違うテンションの声を、インコさんが「おもしろい♪」「楽しい♪」と勘違いすることで、余計にダメなことをするようになってしまう可能性があるということです。
以前、首や耳を噛まれたときに「キャーー!」と叫んでしまうことで、インコさんが余計に首や耳を噛むようになってしまうメカニズムについてのお話をブログに書きましたが、それと同じ原理です。
そのときのブログへのリンクを下に貼っておきますので、もしご興味があればそちらも読んでみてください。
インコさんが悪いことをしたときに「ダメ!」と言うことが必ずしもいいというわけではありません。
個体差によって、「ダメ!」と言うことで逆効果になってしまうインコさんもいます。
ただ、「ダメ!」と言うことが有効なインコさんも中にはいるのだと思います。
「叱る」というのはインコさんにとって強い対応なのであまりオススメしないものです。
というか、一般的な「叱る」という行為は鳥さんに対してするべきではないと思います。
でも、「ダメだよ?」と指摘するくらいは効果的な場合もあるんじゃないかと思います。
いつも言っていることですが、大事なのはインコさんの性格に合わせたお世話をすることだと思います。
書籍やネットで言われていることをマニュアルにするのではなく、愛鳥さんと飼い主さんの間で個別のマニュアルを作っていくのが大事なんじゃないかと思っています。
※音声が出ますのでご注意ください