皆さんは、「なんか、嫌な予感がする…」って思うことってありませんか?
きっと誰しもあるんじゃないかと思います。
私もあります。
それって、どういったときに感じるんでしょうか。
私は、「なんてことない出来事」と「そのあとに起こった嫌な経験」が、頭の中で勝手に結びついちゃって起こるんじゃないかな…なんて思います。
例えば、「曇りの日」に仕事に行ったら「ミスをした」という経験を何度か繰り返したとします。
すると、出勤中に曇っている空を見上げながら、「あぁ…今日も何か失敗する予感がする…」なんて思うようになっちゃうこともあるんじゃないかと思うんです。
「曇りの日」と「仕事でミスをする」という2つの間に科学的な因果関係はありません。
たまたまそういう経験が繰り返されてしまっただけです。
でも、「ミスをした日はいつも曇っていた」と頭の中にイメージとして残っていることで、曇り空を見て「あぁ、また仕事でミスしそう…」なんて嫌な予感として感じてしまうんじゃないかと思います。
…って、なんで私がこんな話をしているかと言うと、これと同じことが「帰宅拒否」をする鳥さんの心の中で起こってるんじゃないかって思うんです。
「飼い主さんと一緒にケージに近づいたら、そのままケージに戻されて放鳥タイムが終わった」
こういった経験を何度か繰り返したとします。
すると、「飼い主さんと一緒にケージに近づく」という出来事と「ケージに戻された=放鳥タイムが終わった」という嫌な経験が、鳥さんの頭の中で紐づいちゃうんじゃないかと思います。
その結果、「飼い主さんと一緒にケージに近づく」という行動をしたときに、鳥さんは(あ…このままいくとまたケージに戻されるような嫌な予感がする…)と思うようになっちゃうんじゃないかと思うんです。
嫌な予感を感じて鳥さんは飼い主さんの手から逃げて、素直にケージに戻らないようになります。
そうなると、飼い主さんは鳥さんをケージに戻すために追いかけ回して、なんとか鳥さんを捕獲してケージに戻す…なんていうことが日常的になってきます。
こういったことを続けていると、「飼い主が追いかけ回す」という出来事と「強制的にケージに戻される」という嫌な経験が、鳥さんの頭の中で結びついちゃいます。
そして、また1つ鳥さんの中の「嫌な予感」が増えちゃうんじゃないかと思います。
こうなるともう大変です。
追いかけ回してくる飼い主さんの姿を見て、鳥さんは嫌な予感しか抱きません。
何とかしてその嫌な予感が的中しないよう鳥さんは必死で逃げるわけです。
飼い主さんは鳥さんが捕まえられないから追い回す。
それを見て鳥さんはさらに逃げる。
終わりのない悪循環…。
…って、誰ですか?
「それ、まったくうちの鳥さんじゃん」って言っているのは。
では、このように帰宅拒否してしまう鳥さんに対してどう対処したらよいのか。
それは、「どうしたら『曇りの日』に悪い予感を感じないようになるか」を考えてみればよいわけです。
例えば、「曇りの日」であっても「仕事でミスしなかった」という経験をたくさん積んだらどうでしょう。
きっと頭の中の「曇りの日」と「仕事でミスをする」という関係性は薄まっていくはずです。
なんなら、「曇りの日」に「仕事でいいことがあった」という経験が続いたらどうでしょうか。
曇りに日に対するイメージが逆転して「曇りの日にはいいことがある」という認識になれば、曇りの日が楽しみになるかもしれません。
鳥さんの帰宅拒否もこれと同じだと思うんです。
「飼い主さんと一緒にケージに近づく」という出来事があっても「ケージに戻されない」という経験を何度も繰り返してあげることで、鳥さんの中の「嫌な予感」は薄まっていくと思うんです。
なんなら、一緒にケージに近づいたらごほうびをあげるなどして、鳥さんにとってのいいことを作ってあげることで、飼い主さんと一緒にケージに近づくことのイメージを良くすることができると思うんです。
これは帰宅拒否に限った話ではないと思っています。
「飼い主さんが爪切りを持ってくる」と「爪切りされる」とか。
「キャリーケースを持ってくる」と「病院に連れて行かれる」とか。
鳥さんが苦手だったり「嫌だなぁ」と思っている事柄について、鳥さんの中で「嫌な予感」に生まれやすいと思っています。
鳥さんが「嫌な予感…」ではなく「良い予感♪」と感じることが多くなるように鳥さんとの接し方を工夫することで、問題行動は解決しやすくなるんじゃないかな…なんて思います。
※音声が出ますのでご注意ください