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【インコさんの共同育雛】「共同育雛」から得た気付きのお話

生活

前回、「共同育雛」のお話をさせていただきました。

「共同育雛」とは、人が雛鳥さんを育てる「人工育雛」とは異なり、親兄弟から離さずに雛鳥さんを育てる方法です。
この方法を取り入れることで、親からの愛情をたっぷり受け、きょうだい達と切磋琢磨しながらいろいろな経験を積みつつ社会性も学び、また人を将来のペアと認識せず、自信に溢れ堂々とした一人前の鳥さんに育つというお話でした。

前回のブログへのリンクを下に貼っておきます。
詳しく読みたい方はそちらも覗いてみてください。

さて、前回のブログの最後で提起した疑問を覚えていますか?

うちの鳥共を含め、多くの鳥さんが「共同育雛」とは異なる方法で育ってきた鳥さんだと思います。
そんな鳥さんたちを前に、今さら「共同育雛」という鳥さんの育て方のお話を聞いても、あまり意味がないのでは?
いやいや、きっとこの共同育雛のお話から、自分たちの愛鳥さんのお世話に活かすための気付きがあるはずだ。
だとしたら、それはどういうものなんだろう?

そんな疑問を提起して前回のブログは終わりました。
今回はその疑問に対する私なりの答えについてお話させてもらおうと思います。

「共同育雛」以外の方法で育てられた鳥さんに対してどう向き合うべきか。
私がたどり着いた答えは、「飼い主さんが鳥さんの親兄弟のかわりになるつもりで接する」というものです。

鳥さんが十分に受けることができなかった親鳥さんからの愛情。
鳥さんが経験することができなかったきょうだい達との時間。
そういったことを埋められるのは、今となっては鳥さんに一番近い飼い主さんしかいないと思うのです。

例えば、鳥さんが呼び鳴きをしたときにどうすべきでしょうか?

書籍やネットの記事には、
「呼び鳴きに反応していると、鳥さんが『呼べば来てくれる』と学習してしまう」
「そう学習することで、さらに呼び鳴きが酷くなる」
「だから、呼び鳴きには反応しない方がいい」
…といった方法が書かれていたりします。
それも確かに一理あるのかもしれません。

でも、呼び鳴きしている雛鳥さんを見て、親鳥さんは「呼び鳴きに反応していると癖になるから放っておく」なんていうことをするでしょうか。
親鳥さんならきっと、「ここにいるよ」と声をかけたり顔を見せるなどして安心させてあげるはずだと思うのです。
「共同育雛」以外の方法で育って、親鳥さんからの愛情を十分に受けられなかった鳥さんであればなおさら、飼い主さんが親鳥さんの代わりになって、「ここにいるよ」と鳥さんに寄り添ってあげる。
そうやって安心感や愛情を感じてもらうことで、鳥さんは心が落ち着いて呼び鳴きが少なくなるということもあるんじゃないかと思うのです。

また例えば、鳥さんが放鳥中に部屋にあるものをいたずらすることってよくありますよね。
カーテンレールの上に飛んで壁や柱をガジガジ噛んだり、ごほうびの入っている箱を開けようとしたりひっくり返してみたり。
そんなとき、みなさんはどうしますか?

「やめてーーー!」と叫んだり、とりあえず鳥さんの行動を止めようとしたり。
ついそんなことをやってしまいますよね。
「余計なことしないで」とか「めんどくさいことになる」といった考えから、反射的に「やめさせなきゃ!」という気持ちが湧きあがってくると思います。
私も散々同じ経験をしていますから、その気持ち、とても分かります。

でも、親兄弟なら遊んでいる鳥さんを見て、「おいやめとけ!」「そんなことするな!」なんて言わないと思うんです。
きょうだい達からは「お前すごいじゃん!」「おもしろそう!ぼくもやりたい!」と称賛や賛同の声があがり、親鳥さんは「怪我しないように気をつけなさい」とだけ言って遊んでいる様子をただ温かく見守るんだと思います。
幼い頃にそういった経験をしなかった鳥さんは特に、飼い主さんが親兄弟の代わりになって、鳥さんが家の柱をかじろうが壁紙をはがそうが「すごいね!」「よくできたね!」とほめつつ、その様子を黙って温かく見守ってあげる…‥

……というわけにはいきませんよね(汗)。

まぁ、「鳥さんが柱や壁を壊しても、止めずに温かく見守りましょう」なんて無責任なことは言いません。
でも、鳥さんの「これやってみたい」「こうやったらどうなるんだろう」という好奇心を満足させてあげることは、とても大事なことだと思います。
そういった鳥さんの気持ちを見抜いて、「これなら壊してもいいよ」「ここだったら好きにしていいよ」という物や場所を用意した上で、親兄弟になったつもりで見守るのがいいんじゃないかと思います。

もちろん、私たちは人間です。
鳥さんにとったら親でもきょうだいでもなんでもありません。
そもそも生き物としての種が違います。
本当の意味で親兄弟の代わりになることはできないのかもしれません。

でも、鳥さんに接するときに、「私は親兄弟の代わりだ」というフィルターを通して見ることはできると思います。

鳥さんの機嫌が悪いとき。
鳥さんが噛んできたとき。
鳥さんが怖いと思っているとき。
鳥さんが寂しいと呼び鳴きしているとき。
鳥さんが破壊行動を楽しんでいるとき。

こういったときに、「私はこの子の親兄弟の代わり」「本当の親兄弟だったらどういう反応をするだろう?」という視点で見てみてください。
いわゆる「問題行動」と呼ばれる行動であっても、そのフィルターを通すことで少し違った形に見えるかもしれません。
その結果、私たちの対応の仕方も変わったりすることもあるんじゃないかと思います。

「私はこの子の親兄弟の代わり」というフィルターをいつも心の中に持っておく。
そういった視点で鳥さんの気持ちに寄り添う。

これが「共同育雛」以外で育った鳥さんと向き合うときに大切な意識なのではないか。
…っていうか、「共同育雛」で育ったかどうかに関わらず、どんな鳥さんに対しても共通して大事な考え方なんじゃないかな?

私は「共同育雛」のお話を聞いて、そんな気付きを得たと思っています。

momo farm代表の高橋桃子さん、貴重なお話をありがとうございました。

※音声が出ますのでご注意ください


もしよかったら、今回のブログを読んでの感想をお寄せください。


鳥月 羊

伴鳥家(はんちょうか)の鳥月羊です。 小型から大型まで4羽のインコさんと生活しています。 インコさんと一緒に過ごす中で、様々な困りごとを経験してきました。 そしてそれをいろいろな方法で解決して、今ではインコさんととても仲良く暮らしています。 これまでの自分の経験を活かして、インコ好きさんのインコライフをさらに楽しいものにしたい。 インコさんと「生涯の相棒」と呼べるような関係性をゆっくりと楽しんでもらいたい。 そんな気持ちで情報を発信したりイベントを企画したりしています。 「ずっと、いっしょに、生きていく」 生涯の相棒インコと寄り添える生活を愛鳥家さんと一緒にデザインしていきます。

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