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【インコさんのお世話】「こうすればいい」を押し付けない

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今日は私の遠い昔の記憶のお話からさせてください。

私は幼い頃、スイミングスクールに通っていました。
私は、そのスイミングスクールに行くのが大嫌いでした。
というのも、コーチが子供たちをお姫様抱っこして、そのままフンッ!とプールに放り投げる時間がたまにあったんです。

私が属していたコースはまだ水に慣れていないレベルの子供が集まっているコースでした。
多分コーチは「こうやって遊んでいれば子供たちは自然と水に慣れる」と思ってそういったことをやっていたんだと思います。
確かに、私以外の子供の中には「やってやって!」「もう一回!」と喜んで自ら放り投げる列に並ぶ子もいました。
でも私はその時間が本当に本当に大嫌いでした。

「まだ水に潜ることに慣れてもいないのに、なんでこんなことするの…怖い…嫌だ…」

コーチが良かれと思ってやった放り投げは、羊少年にはまるでヒットせず、その結果私は水に苦手意識を持ったまま育つことになりました。

さて、可哀想な羊少年のお話はこれくらいにして、鳥さんのお話を始めましょう。

先日、うちの鳥共と遊んでいるときに、このスイミングスクールでの放り投げのシーンを思い出したんです。
コザクラインコのトリちゃんはニギコロすることに何の抵抗もありません。
身体を手で覆うように掴もうとしても逃げることなく大人しく掴まれます。
でも、ウロコインコのマメちゃんは、手で掴もうとすると素早く気付いて逃げてしまいます。
マメちゃんはニギコロが苦手なんです。

トリちゃんもマメちゃんも、私がさし餌から育てた鳥さんです。
2羽とも同じように接してきました。
それでもトリちゃんとマメちゃんの間にはニギコロに対する反応の差が生まれています。

「この差は何なんだろう?」

そう考えたときに、ふとスイミングスクールで放り投げられていたときの映像が脳裏によみがえってきたのです。

「もっとやって!」と放り投げられるのを楽しむ子もいる。
一方で、私のように「絶対嫌だ!」と怖がる子もいる。

鳥さんもおんなじなんだろうなって思ったんです。

私はトリちゃんがニギコロ好きに育ったので、同じように育てればマメちゃんもニギコロ好きになると思っていました。
でも実際はそうではなかったんです。
トリちゃんにヒットした方法は、マメちゃんにはヒットしなかったんです。
その結果、マメちゃんはニギコロに苦手意識を持ったまま今に至っています。

ニギコロが好きな鳥さんもいれば、苦手な鳥さんもいるわけです。
ニギコロに慣れてもらうにも、「どの鳥さんもこの方法をすれば慣れる」というものはないんだと思うんです。

ネットや書籍を見ると、「こういうときはこうするとよい」といったことが数多く書かれています。
私もここのブログで「こんなときはこんなことを試してみてください」なんて言ったりしています。
それらは間違ったことではないと思います。
ただ意識しておいてほしいのは、その方法がどの鳥さんにも合うわけではないということです。
「こういうときはこうすればいい」と押し付けないお世話というものがとても大事なんじゃないかと思うのです。

鳥さんのお世話の方法って本当にたくさんあります。
その中からその鳥さんにあった方法を見つけてあげてほしいなと思うのです。
それが鳥さんに寄り添うお世話だと思いますし、その鳥さんの良さを伸ばすことに繋がると思います。

※音声が出ますのでご注意ください


もしよかったら、今回のブログを読んでの感想をお寄せください。


鳥月 羊

伴鳥家(はんちょうか)の鳥月羊です。 小型から大型まで4羽のインコさんと生活しています。 インコさんと一緒に過ごす中で、様々な困りごとを経験してきました。 そしてそれをいろいろな方法で解決して、今ではインコさんととても仲良く暮らしています。 これまでの自分の経験を活かして、インコ好きさんのインコライフをさらに楽しいものにしたい。 インコさんと「生涯の相棒」と呼べるような関係性をゆっくりと楽しんでもらいたい。 そんな気持ちで情報を発信したりイベントを企画したりしています。 「ずっと、いっしょに、生きていく」 生涯の相棒インコと寄り添える生活を愛鳥家さんと一緒にデザインしていきます。

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