皆さんの愛鳥さんは、手で捕まれても平気ですか?
「カキカキやナデナデなど手が近づくこと自体は平気。
でも、がっつり身体を掴まれることには不慣れ」
そんな鳥さんって結構多かったりするんじゃないかなって思っています。
そういった鳥さんであっても、どうしても手で掴まなければいけないシーンというものがあったりします。
例えば、お家で爪切りをする場合、鳥さんを掴んで保定しているご家庭もあると思います。
キャリーに入るのが苦手な鳥さんの場合、病院に連れていくためにキャリーに入ってもらうときに、やむを得ず鳥さんを捕まえてキャリーに入ってもらうなんてこともあったりするんじゃないかなって思います。
そういった、手で捕まれることが苦手な鳥さんを掴んだとき、鳥さんって暴れたり逃げようとしたり、なんなら噛んできたりすると思います。
そんな鳥さんに対して、
「ジタバタしてかわいそう…」
「やべーーー噛まれる怖ええぇ!」
…と思って、鳥さんを掴んでいる手が緩んでしまいがちだったりしますよね。
その気持ち、分からなくはないです。
ですが、こういったときに覚えておいてもらいたいのが、「絶対に負けないという強い意志を持つ」という考え方です。
鳥さんがどんなに暴れようが逃げようとしようが噛もうとしようが、絶対に負けてはいけないんです。
というのも、そういった鳥さんの行動に負けてしまうと、「抵抗すれば逃げられる」と鳥さんが学習してしまうからです。
「捕まってもジタバタすれば飼い主が手を緩めてくれるから、その隙に逃げられる」と学習すれば、その鳥さんは捕まったときに一層ジタバタをするようになります。
「指を噛めば飼い主が怖がって放してくれる」と学習すれば、その鳥さんは抵抗の際に指を噛んでくるようになります。
「こうやったら逃げることができた」という体験を繰り返せば繰り返すほど、飼い主さんから逃げるのがどんどん上手になっていきます。
鳥さんの抵抗に負けてしまうことで、鳥さんの扱いがより難しくなってしまうのです。
そういったことを防ぐために、「鳥さんの抵抗に絶対に負けない」という強い意志を持つことが大事になってくると思っています。
「ジタバタ暴れようが指を噛もうが、絶対に放さない」
そういった毅然と態度で鳥さんに向き合うことで、「抵抗しても無駄なんだ」と分かってもらいやすくなると思います。
また、鳥さんが苦手とする「手で捕まれる」という状態を最小限に減らすことにも繋がります。
掴む→逃げられる→また掴む→逃げられる→また掴む…ということをやっていると、鳥さんは余計な体力を使って疲れてしまいます。
鳥さんを無駄に疲れさせないためにも、「何があっても絶対にこの1回で終わらせるんだ」という強い気持ちで臨むことが大事だと思います。
ここで誤解してほしくないのは、「鳥さんを無理やり掴むことが正解」と言っているわけではないということです。
大前提として、鳥さんに無理強いさせるのはいい方法とは言えません。
嫌がっている鳥さんに対して無理やり何かするというのは、飼い主さんと鳥さんとの信頼関係を壊しかねない、少々乱暴な行為だと思います。
嫌がる鳥さんに無理を強いるのではなく、鳥さんが平気でいられるように毎日の生活の中で少しずつでもトレーニングをしていくことが、本当に大事なことだと思っています。
ただ、そういったトレーニングが間に合わず、致し方なく今すぐ鳥さんを掴まなければならないという場面に出くわすこともあると思います。
そういったときは、今回お話した「絶対に負けないという強い意志を持つ」という考えを思い出してもらえたらと思います。
飼い主さんにとっても鳥さんにとっても、非常時の負担を最小限にするための心構えとして、頭の片隅にでも置いておいてもらえたら嬉しいです。
※音声が出ますのでご注意ください