前回のブログで、「インコさんに言うことをきいてもらうために、インコさんを満腹にさせないことも1つの手なんじゃないか」というお話をしました。
どんなお話か忘れちゃったという(不届きな)方やまだ読まれていないという方は、下のリンクから読んでみてください。
前回のブログを書きながら、ちょっと思ったことがあったんです。
それは、「鳥さんをお腹が空いた状態にするってどうなの?」という考えです。
実際、前回のお話の発端になった鳥オフ会での会話でも、そういった声はありました。
「ご飯をあげてすぐに食べきっちゃって、次のご飯まで何も食べるものがないの?」
「ってことは、お腹が空いてもずっとお腹が空きっぱなし?」
「それって大丈夫なの?」
毎日朝と夜に体型と体重のチェックをして、いつもの体型と体重を維持していることは確認しています。
鳥共の健康面という意味では問題ないと思っています。
また、放鳥タイムに遊びながらごほうびとしてご飯をあげたりもしています。
次の食事までまったく何も食べないというわけでもありません。
とは言え、食べたいと思ったときに食べられずひもじい思いをして過ごす鳥共って可哀想なのかな?
前回のブログを書きながら、改めてそんなことを思ったのです。
そこで、「鳥さんの幸せ」って何だろうって考えてみたんです。
鳥さんにとって、自分の好きなペースとタイミングでご飯が食べられることが幸せなのかもしれません。
食事量を制限するのは、鳥さんが肥満にならないためだったり発情しないためです。
でもそれって、「鳥さんに健康で長生きしてもらいたい」という人間の想いからくるものなんですよね。
鳥さんはそんなこと望んでいないのかもしれません。
好きなように食べ、好きなように生きること、それが鳥さんの望んでいることなのかもしれません。
健康的に長生きしてもらうために食事の量を減らすなんて、ただの飼い主のエゴや押し付けなのかもしれません。
一方で鳥さんは、大好きな飼い主さんと1日でも長く一緒に過ごしたいと願っているかもしれません。
鳥さんは人間と違って、何年も先の未来のことを考えることはできません。
体型や体重に関係なく欲望のままに食事することが、自分の寿命を縮め、結果的に大好きな飼い主さんとの時間を短くすることに繋がるかもしれないということにまで頭が回りません。
もしそういったことを鳥さんが理解できたなら、少しご飯の量が少なくてお腹が空いた状態が続いたとしても我慢できるって思う鳥さんもいるかもしれません。
「鳥さんにとって幸せとは何か?」
その答えは私も分かりません。
私は放鳥タイムに鳥共といろいろな芸を通してコミュニケーションを取っています。
鳥共には少しお腹が空いている状態を強いてしまっていますが、それでも鳥共にとって私と一緒に楽しく遊べる時間は幸せなものになっていると信じています。
もちろん私も言うことをきいてくれる鳥共との時間が最高に楽しく幸せです。
それでも、私は毎日のように「この子たちは幸せなのだろうか」と悩み考えてしまいます。
鳥共には「おいで」や「あそこに行って」以外にも「チューして」なんていう芸もやらせたりしています。
鳥さんとは言え、相手は一応女子です。
ご飯のためなら何でもするという状態を作り出しておいて、それに乗じてチューを強要してしまっています。
「こんなおじさんにチューされてごほうびをもらう鳥共って…本当に幸せなのか…?」
本当に分からなくなる瞬間です(「ならそんなことするな」とか言わない)。
そんな私が思うのは、「これが鳥さんの幸せだ」と決めつけるのではなく、「うちの子の幸せってなんだろう?」と常に考え続ける姿勢が、鳥さんにとって幸せなことなんじゃないかということです。
いろいろな鳥さんの様子を見て、いろいろな鳥好きさんの話を聞いて、いろいろなお世話の方法の引き出しを増やすこと。
そこからいろいろな「鳥さんの幸せのかたち」を考えること。
そして、自分の鳥さんが幸せなのかをちょくちょく見直して、鳥さんにとってより幸せなお世話をあてがっていくこと。
そうやって日頃から飼い主さんに想われ続ける鳥さんが本当に幸せな鳥さんなんじゃないかなって思います。
※音声が出ますのでご注意ください