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【万が一のときのために】CITESの登録をしておく

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前回のブログは、妄想的な話から始まり、最後の結論も「~~になることもあったりなかったりするんじゃないのかなぁなんて思ったりしなくもありません」というかなり玉虫色なもので、全体的にファンタジー(病的)な回でした。

あ、もし前回のブログが気になるようであれば、以下のリンクからどうぞ。

なので、今回は少し真面目で現実的なお話をしようと思います。

みなさんはCITESというものをご存じですか?

CITES。
サイテスと読みます。
耳なじみのある言葉で言うと「ワシントン条約」のことです。

「ワシントン条約って何?」ということを簡単に説明しますと、絶滅の恐れのある生き物(植物を含む)の種の保護する条約です。

ワシントン条約と聞くと必ず思い出すエピソードがあります。

むかーーーし、私が大学の卒業旅行で中国に行ったときの話です。
その当時、私は海外旅行に行ったときの記念として、その国の民族楽器を買うということを趣味としておりました。
スコットランドに行ったときにはバグパイプを買い、スペインではカスタネット(ジプシー的なイメージ)を買いました。
カスタネットはとてもいい音がしたけど、バグパイプはまるで音が出なかったなぁ…(肺活量が赤ちゃん)。
ま、そんな話はいいとして、中国に行ったときは「胡弓」という弦楽器が欲しくて取り扱っているお店に見に行きました。
楽器店の店主が「こんな音が鳴るんだよ」と「北国の春」を演奏してくれて、「あぁ、日本人相手の商売がうま…ゴホゴホ…あぁ、綺麗な音色だなぁ…」と思いました。
「この胡弓はいい物でね。蛇の皮を使っているから、とても音が響くんだ」
そんなことを話しながら店主が弾く胡弓の音色は本当に美しく、でもどこか物悲しげでした。
そんな胡弓の音に魅了され、私は予定通りそれを買いました。
胡弓を入れる専用のケースも買い、それ以降はそれを背負って歩き、「やべ、オレ今、いかにも演奏家っぽく見えね?」と恰好だけの見せかけミュージシャンっぽい姿を楽しみながら帰国するために空港に向かいました。
無事羽田空港に着き飛行機を降り空港内を歩いていると、ほどなくして空港の方に呼び止められました。

職員「あの、その背負っているもの、もしかして胡弓じゃないですか?」
鳥月「あ、はい、そう…ですが?」
職員「胡弓って蛇の皮が使われていまして」
鳥月「???」
職員「蛇の皮ってワシントン条約で輸出入が禁じられているんですよ」
鳥月「フアアァァァァーー!」

『日本の青年、ワシントン条約で禁止されている蛇の皮を密輸して逮捕』

そんな新聞記事が一瞬で脳裏に浮かびました。
私が白目になってアワアワしているとその職員さんは少し笑いながらこう続けました。

「まぁ……いいですよ。何食わぬ顔で行っちゃってください。大丈夫ですから♪」

その後、私は胡弓の入ったケースに脱いだコートをかけ、人目につかないようにして空港内をそそくさと歩きました(余計に目立つ)

そんなわけで、みなさん、海外に行ったときには蛇の皮を使ったお土産には注意してくださいね。
それでは今回はこのへんで。

…じゃなくて、鳥さんの話に戻しましょう(長ぇよ)。

うちの空ちゃんはヨウムさんです。
ヨウムさんは何年か前にCITESの付属書のⅠ類(いちるい)に格上げされました。
付属書というのは、簡単に言うと「絶滅危惧種レベル」みたいなものです。
それのⅠ類に格上げされたということは、つまり、「ヨウムさんはマジで絶滅危惧種なので、みんなでももっと厳密に扱おう!守っていこう!」という対象となったということなんです。

「厳密に取り扱う」って具体的にどういうこと?…っていうと、CITESの付属書Ⅰ類に属する生き物は、登録票がないと個人間での譲渡ができません。
「お仕事の関係でうちのヨウムさんを飼うことができなくなっちゃったから、弟に面倒をみてもらうことにしたんだ」ということすら法的にはNGということなんです。

CITESの登録票があれば譲渡は可能です。
ただ、先ほども少し言っていますが、ヨウムさんは「何年か前に」CITESのⅠ類に格上げされたんです。
なので、もしかしたらそのことを知らないままヨウムさんと暮らされている方もこの世界にはいらっしゃるんじゃないかと思います。
CITESのⅠ類に格上げされたことを知らずに、言い換えれば、登録票がなければ個人間での譲渡ができないことを知らずに毎日の生活を過ごすことは、何かあったときに困ってしまうことになるかななんて思っています。

あまり考えたくない話ですが、自分の身に何かあって、愛鳥であるヨウムさんの面倒をみることができなくなってしまったとき、うちの子のお世話を誰かに託す必要に迫られます。
でも、CITESの登録票がなければ他の方に渡すことができません。
どこに動かすことができない、誰にも面倒をみてもらうことができない。どうしようもない…。
なんとかできたとして、それまでにはいろいろな手続きが必要で時間もかかります。
その間、残された鳥さんは満足のいく環境での生活ができないかもしれません。
鳥さんに慣れていない人のお世話なために十分な放鳥もしてもらえず、これまでの幸せだった日々とのギャップにストレスを感じて、体調を崩してしまったり毛引きを始めてしまったり…。
そんなことも十分に考えられることかなって思います。

そういうことにならないように、鳥さんと暮らされている人はぜひ「CITES(サイテス)」というものを意識しておいてもらえるといいなって思います。
「うちは絶滅危惧種ってわけじゃないから関係ない」って思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、今回のヨウムさんのように急に格上げされて登録票が必要になるケースもあり得ます。
常にアンテナを張っておく必要はありませんが、「CITESというものがある」「場合によっては登録票がないと大変なことになる」ということを知っているだけでも違うと思います。

また、CITESの登録票は5年ごとに更新が必要です。
万が一更新を忘れてしまって登録票の有効期限が切れてしまっても、再度登録することは可能です。
でも、気が付かないうちに登録票の期限が切れてしまっていて、先ほど言ったようなあまり考えたくないような事態になってしまう可能性はあります。
そういう意味でもやはり頭のどこかでCITESの存在を忘れないようにしておきたいですね。

…って、今回なぜCITESの話題を取り上げたかというと、なんと、空ちゃんの登録票の期限が切れちゃっていたからなんです(テヘッ)。

いや、空ちゃんが私の元に来たのが3年前で、CITESの更新は5年ごとだからまだまだ大丈夫だよねー…と思っていたんです。
でも、空ちゃんを迎え入れるときにTSUBASAさんから「何年か前にCITESの更新をしているので、次の更新は5年よりか前に来ると思いますので注意してくださいね」って言われた記憶がぼんやりありまして…。

「あれーーー?空ちゃんのCITESの期限っていつだっけーー?」って調べたところ、見事に切れていることが判明したのでした(テヘテヘッ)。
※速攻で問い合わせ&手続きをして、現時点で空ちゃんのCITESの再登録が完了していますのでご心配なく。

TSUBASAのみなさん、全世界のちゃんとCITESの更新をされている立派な鳥好き様、そして空ちゃん、こんな飼い主でごめんなさい。

というわけで、このブログを読まれた方は私を反面教師にしてちゃんとしてくださいね。

※音声が出ますので注意してください。

鳥月 羊

鳥月 羊

伴鳥家(はんちょうか)の鳥月羊です。 小型から大型まで4羽のインコさんと生活しています。 インコさんと一緒に過ごす中で、様々な困りごとを経験してきました。 そしてそれをいろいろな方法で解決して、今ではインコさんととても仲良く暮らしています。 これまでの自分の経験を活かして、インコ好きさんのインコライフをさらに楽しいものにしたい。 インコさんと「生涯の相棒」と呼べるような関係性をゆっくりと楽しんでもらいたい。 そんな気持ちで情報を発信したりイベントを企画したりしています。 「ずっと、いっしょに、生きていく」 生涯の相棒インコと寄り添える生活を愛鳥家さんと一緒にデザインしていきます。

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