これまでに何度か、「インコさんとのルーティンを作るといいよ」というお話をしてきました。
例えば、空ちゃんとの仲を深めるために寝る前にカキカキすることをルーティンにしたといったお話です。
「決まったタイミング(寝る前)に、決まった場所(ソファの肘掛け)で、決まったこと(カキカキ)をするというルーティンを毎日繰り返すことで、『ソファの肘掛けに来たっていうことはカキカキしてもらえるんだな』とインコさんに分かりやすく伝えることができる」なんていうことをお伝えしてきました。
※そのときの記事へのリンクを貼っておきます。
ご興味のある方は見てみてくださいね。
で、今日はこれまで話していた「ルーティンを作るといいよ」ということとは全く逆の、「ルーティンは作らない方がいいよ」というお話をします。
「矛盾してるぞ!」と思われるかもしれませんが、まぁ、騙されたと思って最後まで読んでみてください。
毎日決まったタイミングで決まったことをやることは、場合によってはよくない事態になるかもしれません。
というのも、インコさんの中でそれが「起きて当たり前」という感じになってくるからです。
例えば、先日リンゴをいただいたんです。
そのリンゴを朝の放鳥タイムのときに鳥共にあげました。
普段リンゴなんてもらわないので、鳥共はみんな喜んで食べていました。
そういったことを数日続けました。
すると、鳥共が「朝の放鳥タイムのときに美味しいリンゴがもらえる」と覚えたようで、朝の放鳥タイムが始まると早い段階からリンゴの到着を待ちかねる感じになりました。
空ちゃんはリンゴのことが気になるのか、放鳥タイムのはじめに行う簡単なトレーニングに集中できない感じで、「食べる!食べる」と言ってばかり。
「お腹空いてるの?」といつものペレットをあげてもペッと吐き出してしまう始末…。
その後リンゴが来ると、「そうそうこれこれ!」とノリノリで食べていました。
またある日のことです。
その日は忙しくてリンゴを切っている時間がありませんでした。
しかし、鳥共は「リンゴがもらえる♪」と思ってどこかソワソワした感じで待っていました。
「今日はリンゴないよ?」と言っても全然聞いていません。
それどころかそのうち「ねえリンゴは?リンゴは?まだ?ねえ早くちょうだいよ」といったテンションになりました。
噛みついて要求するようなことはありませんでしたが、明らかにリンゴがもらえないことを不満に思っているような感じでした。
このように、決まったタイミングで決まったことをすると、インコさんがそれを覚えて催促するようになってしまうと思います。
軽い気持ちで始めたことがいつの間にかそれをやるのが当たり前になってしまい、「○○をしないとインコさんが納得しない」というような状況になってしまうのは好ましいことではないと私は思います。
特に、「○○しないとインコさんが納得しないから」という理由で、時間がなく忙しい中でも対応してしまうことで、より「このタイミングで○○してもらえる」という記憶は強く色濃くなります。
それって自分の首を自分で締めてしまうことなんじゃないかなぁ…なんて私は思います。
大した手間がかからず簡単に対応できることならいいんです。
また、例えば「この子の健康のためだから、いくら手間でも欠かさずやります」という覚悟があるならいいんです。
でもそうではない内容のものであれば、インコさんのわがままに付き合う必要はないと思います。
そして、そもそもインコさんがわがままを言いださないようにするために、飼い主さんが普段の行動に気を付ける必要があるんじゃないかなと思います。
例えば、上の例にある「リンゴをあげる」のであれば、わざとリンゴをあげるタイミングをずらすとよいと思います。
インコさんからしたら「思いがけずリンゴがもらえた!」となり、予期していたときに比べて嬉しい気持ちは大きいはずです。
「いつも決まったタイミングでもらえる」となることでリンゴのスペシャル感が薄れがちですが、読めないタイミングでもらえることでリンゴに対する特別感、新鮮な気持ちを保てると思います。
リンゴを与える時間をずらすでもいいですし、数日おきにあげるといった形でもいいです。
インコさんにサプライズを仕掛けるくらいのつもりでやるのがいいんじゃないかと思います。
インコさんとの関係性を築くためにルーティンを作ることは効果的ではありますが、使い方を誤ると「ただのインコさんの僕(しもべ)」になりかねません。
インコさんの言いなりになることで喜びを感じておられる変態…ゴホゴホ…鳥好きさんはいいですが、その状況を「困ったなぁ…」と感じている方は、良くないルーティンの見直しをすることが大事かもしれません。
※音声が出ますのでご注意ください