「見るな」と言われると、逆に見たくなる。
「知らなくていいよ」と言われると、もっと知りたくなる。
「もう手に入らないよ」と言われると、より欲しくなる。
みなさんは、そんな風に感じたことはありませんか?
私もそういった気持ちになることがあります。
例えば、「あそこのコンビニは店員の手際の悪さがすごいから、利用しない方がいいよ」と聞くと、逆にちょっと気になって行ってみたくなってしまうんです。
ホント、人間って不思議ですよね。
でもこれって、実は不思議というよりも、ある意味”自然な反応”なのかもしれません。
人は「制限される」と、それを取り戻したくなる性質があると言われているんです。
その感覚は、もしかしたら鳥さんにもあるんじゃないかな?と思っています。
日々の鳥共の様子を見ていると、それと似たような行動をすることがあるんです。
先日、オオハナインコの花ちゃんのケージのお掃除をしようと思い、花ちゃんを棚の上に誘導しようとしました。
でも、花ちゃんは「今は行く気がない」といった様子で、棚の上に行ってくれません。
「ほら、クルミをあげるから、棚に行って」と、クルミで釣ってみてもまったく興味を示しません。
そこで私は、花ちゃんには特に何も言わず、黙ったままクルミを小さく砕いて、それをパラパラと棚の上にばら撒きました。
その私の動作を見て、花ちゃんがばら撒かれたクルミに興味を持ち始めました。
でも私はすぐに花ちゃんを棚の上に誘導せず、そのままクルミを砕いてばら撒く作業を続けました。
「まだだよ、もう少し待ってね」
そうやって少しだけ待たせる状態を作ると、花ちゃんはどんどんクルミのことが気になってきたようで、最終的には自分から棚の上に乗ってくれました。
ヨウムの空ちゃんにも同じようなことがありました。
空ちゃんのケージにごはんの用意ができたので、「はい、空ちゃん、ごはんだよー」と言いながら空ちゃんをケージに返そうとしたんです。
でも空ちゃんはまだ遊びたかったようで、ケージに帰ることを拒む仕草をしました。
そこで私は、ケージの中のごはんお皿を揺らして、カラカラと音を鳴らしました。
「今日も美味しそうなごはんが入っているなぁ♪」
「空ちゃんのごはん、いい感じだねぇ♪」
ごはん皿の中を見ながらそんな風に言って、カラカラ鳴らし続けました。
すると空ちゃんは、何となくごはんのことが気になり出したようで、ごはん皿の覗き込もうとしました。
でも私は、少しいじわるする感じで、「まだだよ♪」「もう少し待つとごはんがもっと美味しくなるよ」なんてちょっとした嘘を言いつつ、ごはん皿の方に空ちゃんを近づけないようにしました。
空ちゃんはより一層ごはんのことが気になり始めたみたいでソワソワし始めました。
そんな空ちゃんの気持ちの高まりを見て、空ちゃんをケージに誘導すると、すんなりと自分からケージに戻ってごはんを食べ始めてくれました。
こういった鳥共の様子を見ていると、鳥さんも、
「行くなと言われると余計に行きたくなる」
「まだだよと言われるとすぐに欲しくなる」
そんな気持ちを持っているように見えることがあります。
みなさんの愛鳥さんも、
「ダメ!って言うことほどやりたがる」
「行っちゃいけないというところほど行きたがる」
そんな行動をしたりしませんか?
それってつまり、「欲しいのにすぐに手に入らないと、興味や欲求がより強くなる」ということだと思うのです。
そう考えると、鳥さんに何かをしてもらいたいとき、ただごほうびをあげるのではなく、あえて少しだけ「焦らす」という関わり方が有効になる場面もあると思うんです。
「ケージに戻ってほしいのにあと少しというところで逃げられてしまう」
「ごほうびに興味はありそうなのに結局無視されてしまう」
そんな”あと一歩で動かない”というとき。
すぐに与えるのではなく、ほんの少しだけ待たせてみる。
それだけで、鳥さんの「気になる」が一気に強くなり、自分から動いてくれることがあります。
例として、なかなかケージに戻ってくれない鳥さんへの「焦らし」の方法を1つご紹介します。
ケージの中におやつを入れて、ケージの扉を閉めておきます。
その状態で、ケージの外から鳥さんにケージの中を見せたり、
「あ、中におやつがあるね♪」
「たくさんあっていいね♪」
と語りかけて、鳥さんに興味を持ってもらうようにします。
鳥さんはケージの中のおやつが気になりますが、扉が閉まっているので入れません。
そうすることで、鳥さんの「欲しい」という気持ちがどんどん強くなっていきます。
「十分興味を持ってくれたな」と感じたタイミングで扉を開ければ、鳥さんは自分からケージに入っていってくれると思います。
焦らす際のポイントは、鳥さんが我慢できなくなる・焦らされすぎて興味をなくす前に止めることです。
焦らしすぎると、他のものに興味が移ってしまう可能性があります。
また、焦らされることがストレスとなって、攻撃的な行動を招くこともあります。
もちろん、元からノリノリで反応してくれるときは、わざわざ焦らす必要はありません。
素直に行動してくれたときは、すぐにごほうびをあげる方が大切です。
そのあたりに気をつけながら、
鳥さんに何かをしてもらいたいときは、
「どうやって動かすか」ではなく、
「どうやって”気になってしまう状態”を作るか」
そんな視点で関わってみると、無理に動かそうとしなくても、鳥さんの方から動いてくれる場面が増えていくかもしれません。
鳥さんのやる気は、「与え方」で変わります。
一度試してみると、これまでと違った反応が見えてくるかもしれません。
※音声が出ますのでご注意ください
もしよかったら、今回のブログを読んでの感想をお寄せください。
「ためになった♪」「おもしろかった!」と思ったら
その気持ちを投げ銭でお寄せいただけると大変励みになります!