少し前に、鳥さんのフォレイジングおもちゃということで、「わんこのでるでる自販器」を紹介させてもらいました。
そちらのおもちゃを紹介している記事、また、鳥さんにそのおもちゃで遊んでもらうためのコツをまとめた記事については、下にリンクを貼っておきます。
ご興味のある方はこちらから読んでみてください。
さて先日、こちらのおもちゃを購入して愛鳥さんに試された方から、ご相談のメールがありました。
「どうやったらおやつが出てくるかは理解できて、遊ぶことができるようにはなりました。
でも、おもちゃで遊ぶのは、私が『ここにおやつがあるよ』と教えてあげたときだけです。
もっとこのおもちゃが大好きで仕方ないくらいハマらせる方法はありますか?」
なるほど。
飼い主さんとしては、鳥さん自らおもちゃのところに行って、積極的にクルクル回すようになってほしいわけですね。
その気持ち、とてもよく分かります。
というわけで、今回は鳥さんを夢中にさせる方法の1つをお教えしようと思います。
その方法とは、「おやつが出たり出なかったりするようにする」というやり方です。
「おやつが出なくなったら、鳥さんは興味をなくしてしまうのでは…?」
そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、おもちゃからおやつが出てくることをちゃんと理解するまでは、おやつは100%の確率で出るような状態にすべきです。
でも、どうすればおやつが手に入るのかをちゃんと理解したあとは、おやつが出たり出なかったりするようにしてあげることで、鳥さんの熱中度を上げることができると思っています。
少し話は飛びますが、私はプレッツェルが大好きです。
素朴な味わいや食感もさることながら、あの塩加減が最高にたまりません。
プレッツェルを前にしたとき、「食べるのは半分くらいにしておこう」と思うんです。
でも、気が付いたときには1つペロッと食べちゃってたりするんです。
まず、一口食べますよね。
「フゥーーー! 最高の塩加減♪ 美味しい!」ってなります。
そして「美味しいからもう一口!」ってなって次の一口を食べます。
すると今度は、お塩が薄い部分でした。
「あら、イマイチ塩加減が足りないなぁ…次は美味しいところかなー?」
そう思ってもう一口食べます。
ところが今度も塩加減は薄めでした。
「あら、またイマイチだなぁ。今度はどうだー?」
今度は絶妙の塩加減に当たりました。
「これこれーー! これなのよ♪ 超美味しい♪」
ってことで、また一口。
今度はまた塩加減が薄めでした。
「うーーん……次は美味しいところかな?」とさらに一口。
今度は絶妙の塩加減の部分でした。
「そうそうこれこれ♪ やっぱり美味しいなぁ♪」
ってことでまた一口…。
…と、こんな感じで、あっという間にパクパクと食べてしまうわけです。
プレッツェルを食べる理由は、「塩加減が最高で美味しいから」です。
でも、塩加減がイマイチでも、「次は美味しいポイントかも♪」と思って、結局食べてしまうのです。
どこを食べても塩加減が完璧だったら、早い段階で「もういいや♪」と満足してしまうかもしれません。
「最高の塩加減のポイントもあれば、塩加減がイマイチな部分もある」
そんなプレッツェルだからこそ、最高の塩加減を食べたときの感動を求めて、「もっと食べたい!」と夢中になって食べてしまうのです。
さ、話を鳥さんに戻しましょう。
鳥さんがおもちゃにハマるのも、プレッツェルを無限に食べてしまう私と同じ原理で考えることができます。
つまり、欲求が必ず満たされるのではなく、満たされたり満たされなかったりすることで、鳥さんの熱中度を上げることができるのです。
クルクル回しておやつが出てくれば、嬉しくてさらにクルクルしたくなります。
おやつが出てこなかったときは、「次はどうだ?」「今度こそ出してやる!」とさらにクルクルしたくなります。
おやつが出てこないという結果は、「なんだよつまらない」というネガティブな感情ではなく、「今度こそ出してやる!」とむしろポジティブな気持ちに繋がるのです。
その結果として、夢中になってずっとクルクル回しちゃうわけです。
こういった方法は、フォレイジングのおもちゃを好きになってもらうための方法に限ったものではありません。
鳥さんにコマンド(芸)を教える際にも実際に使われる、列記としたトレーニング方法の1つです。
(専門的な用語で言うと「変動比率強化」というものに当たります)
1つ注意点としては、最初の方でも言っていますが、「おもちゃからおやつが出てくる」ということをちゃんと理解していることが必要です。
それをちゃんと理解していない状態であまり出てこない状態にしてしまうと、「なんだつまんない」というネガティブな気持ちで終わり、関心が薄れてしまいます。
鳥さんが「こうすれば、こうなるはず」という強い確信を持っている段階になったところで、欲求が満たされない場合が生まれるようにおやつの出方を工夫する。
そうすることで、鳥さんの熱中度を高めることができると思います。
「よぉし! 今日はどれくらいゲットできるかな?」
「いっぱいおやつをゲットするぞー!」
そんな風に鳥さんのチャレンジ精神に火をつけてあげることで、鳥さんは自分から積極的にフォレイジングのおもちゃで遊んでくれるようになるんじゃないかと思います。
鳥さんの熱中度が上がるように、おやつが出る難易度を上手に調整してみるというのも1つの手だと思うので、試していただければと思います。
※音声が出ますのでご注意ください
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