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【インコさんの気持ち】インコさんの帰宅拒否を「数式」で考える

問題行動

皆さんは、こんな感じのテレビCMをご存知でしょうか?

帰りたぁ~い♪ 帰りたぁ~い♪
あったかハイ〇が待っているぅ~♪

こちらは大手ハウスメーカーのCMです。
では、もう1つ、こちらはご存知ですか?

「帰れば、金〇。」

こちらは大手ビール会社のある銘柄のキーメッセージです。

どちらも「〇〇があるから家に帰りたい」という誰もが共感しやすい気持ちをテーマとして扱っています。
みなさんも「〇〇があるから家に帰りたい」という気持ちになったことってあると思います。

「鳥さんが待っているから早く家に帰りたい」
「新しいゲームで遊びたいから早く家に帰りたい」

分かります分かります、とてもよく分かりますよ(私の実体験に基づいていますから)

逆に、「〇〇だから家に帰りたくない」という気持ちも、場合によって持つことがあったりしますよね。

「家に帰ってもつまらないから帰りたくない」とか。
「もっと遊んでいたいからまだ家に帰りたくない」とか。

この、「〇〇だから家に帰りたい」とか、「〇〇だから家に帰りたくない」という気持ちは、簡単な数式で表すことができると思っています。
その数式は以下の通りです。

(外に居続ける価値 □ 家に帰る価値)
※□の中には不等号(“>”か”<”)が入ります

例えば、「美味しい夕飯が待ってるから家に帰りたい」というときは、(外に居続ける価値)より(家に帰る価値)の方が大きいんです。
数式としては、(外に居続ける価値 < 家に帰る価値)となります。
「花瓶を割ったことを母親に叱られるから家に帰りたくない」というときは、(外に居続ける価値)の方が(家に帰る価値)より高いわけです。
数式としては、(外に居続ける価値 > 家に帰る価値)となるわけです。
(とは言え人間の場合は、(外に居続ける価値)の方が高くても、なんだかんだ渋々家に帰ることがほとんどですが)

さて、この数式は、人間の心の中だけでなく、鳥さんの心の中にもあるんだと思うんです。

みなさんと一緒に暮らしている鳥さんが、放鳥タイムが終わっているのになかなかケージに帰らないなんてこと、あったりしませんか?

そういうときって、鳥さんの頭の中に…

(外に居続ける価値 > 家に帰る価値)

こんな数式が浮かんでいるんだと思うんです。
家に帰るよりも、外に居続けた方が楽しくて価値がある。
鳥さんはそう感じているから、「もう帰ってよー」と飼い主さんにいくら言われても帰らずに外の世界を楽しんでいるわけです。

特に鳥さんは、自分の心に超素直に生きています。
(外に居続ける価値)の方が高くて本当は「家に帰りたくない」と思っていても、いろいろなことを考えて結局家に帰る人間とは違うんです。
「帰りたくないものは帰りたくないの!」
鳥さんの心の中の天秤が(外に居続ける価値)に傾いているうちはそんな強い気持ちが続き、ケージに帰るなんてことはないと思います。

では、そういった「帰宅拒否」をする鳥さんに家(ケージ)に帰ってもらうにはどうしたらよいのか。

その答えは、先ほどの数式にあります。
つまり、鳥さんの心の中の数式を…

(外に居続ける価値 < 家に帰る価値)

という状態にしてあげればいいのです。
(家に帰る価値)の方が高まれば、鳥さん自らノリノリでケージに帰ってくれるはずです。

(外に居続ける価値)よりも(家に帰る価値)を高くするためには、大きく2つの方法があります。
1つは、「家に帰る価値を高める」という方法。
もう1つは、「外に居続ける価値を下げる」という方法です。

「家に帰る価値を高める」方法としては、
・ケージの中にお気に入りのおもちゃを用意したりして、ケージ内を魅力的なものにする
・ケージに帰ったときだけ特別なおやつがもらえる
・放鳥タイム終わりで家に帰ったタイミングでごはんがもらえる
…といった方法があると思います。

正に冒頭でお話した、あったか〇イムとか〇麦(ビールの銘柄)のCMと同じです。
「暖かくてホッとできる家に帰りたい」
「冷蔵庫に美味しいビールが冷えてるから帰りたい」
家に帰ることで得られる価値を高めて、その価値を得たいという気持ちを利用して帰ってもらう方法です。

もう1つの「外に居続ける価値を下げる」方法ですが、「鳥さんにとってケージの外を安心できない環境にする」…というわけにはいかないです。
ケージの外が安心できない環境であれば、そもそも鳥さんはケージから出てこないと思います。
というか、安心できない環境で鳥さんを遊ばせることがそもそも良くないことです。
このように直接的に「外に居続ける価値を下げる」ということは難しいと思います。

ではどうすべきか?…というと、鳥さんの「楽しい!」「遊びたい!」という気持ちが小さくなるように、鳥さんのやりたいことを存分にやらせて発散させてあげるのがいいのではと思っています。
鳥さんがやりたいと思っていたことをやって「楽しかった!」と満足できれば、「もうここに用はないな」と思ってもらえると思います。
それってつまり「外の環境の価値が下がる」ということだと思います。
外の価値が下がったところで、それ以上に価値のあるものをケージ内に用意してあげれば、鳥さんはその価値を求めて帰ってくれたりやすくなるんじゃないかと思います。

「放鳥タイムが終わってもなかなか帰ってくれないなぁ…困ったなぁ…」
そんな風に思ったときは、ぜひ(外に居続ける価値 □ 家に帰る価値)の数式を思い浮かべてみてください。
そして、「(家に帰る価値)を高めるためにはどうしたらいいんだろう」といった意識で対応してみるといいんじゃないかなって思います。
鳥さんの気持ちを意識するための数式として、頭の隅にでも置いておいてもらえたら嬉しいです。

※音声が出ますのでご注意ください

鳥月 羊

鳥月 羊

伴鳥家(はんちょうか)の鳥月羊です。 小型から大型まで4羽のインコさんと生活しています。 インコさんと一緒に過ごす中で、様々な困りごとを経験してきました。 そしてそれをいろいろな方法で解決して、今ではインコさんととても仲良く暮らしています。 これまでの自分の経験を活かして、インコ好きさんのインコライフをさらに楽しいものにしたい。 インコさんと「生涯の相棒」と呼べるような関係性をゆっくりと楽しんでもらいたい。 そんな気持ちで情報を発信したりイベントを企画したりしています。 「ずっと、いっしょに、生きていく」 生涯の相棒インコと寄り添える生活を愛鳥家さんと一緒にデザインしていきます。

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