前回のブログで、「体重などの数字ではなく、実際の鳥さんを体格や状態を見てあげてほしい」というお話をしました。
実際にうちの鳥共は、鳥の専門医さんに見てもらったところ、「体重は変わっていないけど体格として前回より痩せた」と診断されました。
そういったこともあるので、体重などの数字を気にするのではなく、実際の鳥さんを見たり触ったりしてちゃんと見てあげることが大事だよ…というお話でした。
そちらのお話が気になる方のために、前回のブログへのリンクを下に貼っておきます。
さて、実際の鳥さんの身体をチェックするための指標として「キールスコア」というものがあります。
この「キールスコア」については、以前にもテーマとして扱っている回があります。
そちらの記事へのリンクも貼っておきます。
キールスコアの測り方については、上の回のブログでも紹介しています。
でも、測り方の説明がちょっとぼんやりしていて、具体的にどうやって測るのかが分かりづらいかなと思います。
そこで今回は改めてキールスコアの測り方についてお話しようと思います。
まずは、キールスコアの測り方のイメージを掴んでもらおうと思います。
測り方がよく分からない状態だと、「ん? キールスコア? どこ? 何をチェックしたらいいの?」と鳥さんの身体を無駄にベタベタと触ることになりがちかと思います。
そうなると鳥さんにとって負担が増えますしキールスコアを測ることが嫌いになってしまうかもしれません。
スッとサラッと素早く簡潔にキールスコアを測れるようにするために、まずはキールスコアとはどういったものなのか、どこの何をどういう風にチェックすべきなのか、イメージトレーニングをしてもらえればと思います。
というわけで、皆さん、左手をグーにしてみてください。
そして、右手の人差し指でグーにした左手の人差し指の第3関節を触ってみてください。
そこから左手の人差し指の第2関節に向かって右手の人差し指を動かしてみてください。
第3関節から第2関節に向かってなんとなく骨があるのを感じられると思います。
では、その骨とそのまわりにある肉を、右手の人差し指を親指で摘まんでみてください。
骨を中心に何となくお肉がついているのを感じ取ることができると思います。
これと同じ感じのことを鳥さんの胸骨でやるのが、キールスコアの測定です。
鳥さんの胸からお腹にかけて胸骨という骨があります。
その骨の両側にお肉がついているので、それを人差し指と親指で優しく摘まんでみてください。
どれくらいの肉付き加減になっているかをチェックすることでキールスコアが測れます。
摘まんでみたときに、骨のまわりにあまりお肉を感じられなければ痩せ気味(キールスコアでいうと1とか2)、逆に骨よりもぷっくりとお肉を感じられるようであれば太り気味(キールスコアでいうと4とか5)ということになります。
…って、ここまでの話を聞いて、
「どこをどんな風にチェックするかは分かったけど、どの程度の肉付きが痩せているのか、どの程度なら太っているのかっていう判断基準が分からない」
と思われている方が多くいらっしゃるかと思います。
そのあたりに関しては、「慣れ」が必要だと思っています。
キールスコアの測定って、はっきりと客観的な数値で結果が出るわけではなく、「自分で触ってみて感じた感想」といった、主観的であいまいなものなんです。
加えて、特に初めてキールスコアを測ったときなどは、「肉付き加減を感じる」という経験がこれまでにないために、「…で? この肉付きが結局どうなの??」と疑問に思って終わってしまうと思います。
でも、定期的に何度か触っているうちに、「あぁ、うんうん、こんな感じね」と分かってくるようになると思っています。
これまでの肉付き加減との比較ができるようにもなりますし、指の「肉付き感知センサー」の経験値も上がります。
鳥さんの負担がない程度に定期的にキールスコアのチェックをしていくことで、測定の精度も上がっていきますし、鳥さんの体格を正しく把握することもできるようになり、結果としてお世話レベルを高めることに繋がると思います。
ただ、ちょくちょくキールスコアの測定をするということは、それだけ鳥さんの身体を触る機会が多くなるということです。
触られるのが苦手な鳥さんにとっては、負担やストレスが増えてしまうと思います。
身体を触られることで発情に繋がるケースもあると思います。
また、触る時間が多くなれば、その分鳥さんに噛まれてしまう可能性も高くなり、飼い主さんへの負担も増えかねません。
そういった観点から、キールスコアの測定は、サッとできるだけ素早く終わらせることだ大事だと思います。
そのためにも、冒頭の方でお話した、自分の指を使ったキールスコアのチェックのイメージトレーニングがオススメなんじゃないかと思います。
「こんな感じの骨を探して、そのまわりのお肉の付き具合を調べる」
そんな感じでご自分の指を使って練習をしておくことで、実際のキールスコアを測るときの鳥さんへの負担をできるだけ軽くできるんじゃないかと思います。
放鳥タイムなどに鳥さんと遊ぶ感覚で無理強いさせることなく、気軽にキールスコアのチェックができるようになってもらえたらいいなって思います。
※音声が出ますのでご注意ください