これまで私は「鳥さんにトレーニングする」なんてことをテーマに何度もお話してきました。
でも、私は最近気づいたのです。
「人が鳥さんをトレーニングするのではなく、
鳥さんに人がトレーニングされたらいいのでは?」…と。
鳥さんは賢い生き物です。
でも、賢さで言えば人の方が上です。
であれば、鳥さんをトレーニングするよりも人がトレーニングされる方が、学習するまでの期間は短く済むんじゃないかと思うのです。
カキカキすると噛んでくる鳥さんがいたとします。
そういう鳥さんにあなたはどう対処しますか?
噛んできたら「そういうことしちゃダメでしょ」と言い聞かせる。
噛んできたところで黙ってケージに戻す(放鳥タイムを終わらせる)。
噛まないでいたら「えらいね」と言ってごほうびをあげる。
いろいろな方法があると思います。
でも、それらすべては「鳥さんを変えようとする行動」です。
人間でもそうですよね。
「なんであの人って何回言っても分からないんだろう…」
「何回注意しても何も変わってくれない…」
そんな人、あなたのまわりにいませんか?
そういう人をいい感じに変えるのって難しいですよね。
人ですら変えることは難しいのです。
それなのに、言葉の通じない、ましてや、生物学上全く別の生き物である鳥さんを変えようだなんて。
私は今まで、なんておこがましい考えでいたのか…(震)。
では、どうしたらいいのか?
そうです。
自分が変わればいいんです。
先ほどの人間のケースでもそうですよね。
何回言っても相手が変わってくれないのであれば、こちらがやり方を変えてその人に合わせればいいんです。
納得できない部分もあるかもしれません。
でもその方が解決するスピードは速いと思います。
鳥さんとの関係もそれと同じだと思います。
「あ、これは噛まれる」と分かったらすぐに手を引く。
そもそも噛まれるようなことを鳥さんに対してしない。
このように、鳥さんの行動を変えるのではなく、自分の行動を変えてみる…というのも大事なことなんじゃないかなと思います。
いつもは人から鳥さんに対して「私がこういう合図をしたらこうして」と要望を出しています。
それと同じように、ハッキリとは聞こえませんが、鳥さんから人に対しても「わたしがこういう合図をしたらこうして」という要望がきっと出ているんだと思います。
「背中の羽が逆立ってるときは手を噛んでしまいがちだから、手を出さないでね」
「発情期のときはイライラがすごいから、そっとしておいてね」
「怖がっている仕草をしていたら、無理強いしないでほしいな」
そういった鳥さんの気持ち汲んであげる。
そして、鳥さんの要望に合わせてこちらが行動を変える。
そんな、「鳥さんからトレーニングされる」という視点も、ときには大事なんじゃないかなと思います。
※音声が出ますのでご注意ください