BLOGブログ

BLOG

7

【インコさんの呼び鳴き】「呼ばれても反応しない」は逆効果…かもしれない

呼び鳴き

突然ですが、私の話を聞いてください。

私は老人ホームで働くヘルパーさんです。
休憩時間にテレビを見て楽しんでいるおじいちゃんに、そろそろ部屋に帰る時間だよと声をかけました。
「田村さん、そろそろお部屋に帰りましょうか♪」(※田村さんは架空の人物です)
田村のおじいちゃんは、テレビに夢中で私の声にまったく気づきません。
私は先ほどより少し大きめの声で声をかけました。
「田村さん、そろそろお部屋に帰りますよー」
田村さんは相変わらずテレビに見入っています。
私は軽く深呼吸をしてから大きめの声で言いました。
「田村さーーん、お部屋に帰りますよーー」
田村さんはテレビを見たままです。
私はイライラしながら大きい声で言いました。
「田村さん! お部屋に帰りますよ!!」
すると田村さんは、「ああ、はいはい」とこちらの声に気付きようやく腰をあげてくれました。

翌日、また休憩時間に田村さんがテレビを見ていました。
そろそろ部屋に戻ってもらう時間だったので、田村さんに声をかけようとしました。
そのとき、ふと昨日の田村さんとのやりとりを思い出しました。
(田村さんは耳が遠くて普通に呼んでも聞こえないみたいだったよなぁ)
そう思って、今日は最初から大きな声で田村さんに声をかけました。
「田村さん!! そろそろお部屋に戻る時間ですよ!!」
すると、田村さんはびっくりして飛び上がりました。
「なんだよ! でかい声で呼びやがって! ビックリするじゃねえか!!」
突然大きな声で呼ばれて田村さんは少し怒っています。
「あ、いや、田村さん、すみません。昨日いくら呼んでも気付いてもらえなかったので、少し耳が不自由なのかなって思いまして」
「ちゃんと聞こえてるよ! 昨日はテレビに熱中していて気付かなかっただけだ!」

…あ、大丈夫ですよ。
妄想ブログに迷いこんでしまったわけではないですからね?
こちらはちゃんとした鳥ブログですから安心してください。
ちなみに言っておくと、私は老人ホームで働いてもいませんしヘルパーさんでもありません。
実際にこういった経験にあったことはまったくなく、「こんなことありそうじゃない?」っていう想像でお話をしました。
(それを妄想ブログと呼ぶのでは?)

さて、ここまでにしてきたお話、実は鳥さんの呼び鳴きに関係のあることなんです。
どういうことか説明していきましょう。

呼び鳴きの対処として、ネットや書籍でこんな感じのものをよく見かけませんか?

「呼び鳴きをされても反応してはいけない。
 反応すると鳥さんが『呼べば来てくれる』と学んでしまう。
 そうなるとより呼び鳴きが酷くなってしまう。
 だから、呼び鳴きされても反応してはいけないのです。」

私もそういった情報を見かけたことがあります。
そして、私もそれに習ってうちの鳥共が呼び鳴きしても反応しないようにしていました。

でも、上でした話のように、「普通の声で呼んでも反応なかったけど、大きな声で呼んだら反応してくれた」という経験を鳥さんがしたとしたら、その鳥さんはどう思うでしょうか。

「普通の声で呼んでたら誰も来てくれなかったけど、大きな声で呼んだら大好きな飼い主さんが来てくれた♪」

鳥さんはそんな風に思うかもしれません。
そして、その鳥さんはその後どういう行動をとるでしょうか。

そうです。
飼い主さんに会いたくなったときに、大きな声で呼び鳴きをするようになるんじゃないかと思うんです。

ネットや書籍で見かけた「呼び鳴きをされても反応してはいけない」というのも間違いではないんだと思います。
ただ個人的には、ちょっと言葉が足りないのかなって思います。
正確に言うなら、「どんなに大きな呼び鳴きをされても反応してはいけない」ということなんでしょう。
どんなに大きな声で呼び鳴きされても、それに根負けせず「絶対に反応しない」という覚悟を持って臨むのなら、その対処法で合っていると思うんです。

でも、近隣への迷惑のことを考えたり、例えば同じ家に暮らしている人の中で鳥さんのことをよく思っていない人がいたとしてその人への配慮だったり、様々な理由からある程度大きな声で呼び鳴きされたところで我慢しきれずに反応せざるを得ないことってあると思うんですよね。
そうなのであれば、鳥さんが小さい声で呼び鳴きをしているうちに反応してしまった方がよい場合もあるんだと思います。

このように、呼び鳴き1つをとっても、「絶対に呼び鳴きに反応しない」という対処法もあれば、「早いうちに呼び鳴きに反応する」という真逆の方法もあります。
そして、鳥さんによってはどちらも正解なんだと思います。
「どっちが正解だ」「こっちは間違っている」と決めつける必要はないと思っています。

鳥さんのお世話の方法は本当に様々です。
ネットや書籍で見かけた方法が必ず正解とは限りません。
ご家庭の環境やライフスタイル。
鳥さんの種類、性別、年齢、性格。
暑いのか寒いのか、湿度が高いのか低いのかといった気候的な側面。
いろいろな要素によってお世話の形が変わると思います。

大事なことは、真逆とも思えるどちらの方法も場合によっては有効なんだと思える頭の柔らかさです。
そして、1つの問題行動を解決するための対処法には本当にいろいろな方法があるということを知っておくことだと思います。
いろいろな方法を知った上で、「うちらはどう対応するのがいいかな?」とご自分の鳥さんと相談しながら、『我が家ルール』をぜひ考えてみてください。

※音声が出ますのでご注意ください。

鳥月 羊

鳥月 羊

伴鳥家(はんちょうか)の鳥月羊です。 小型から大型まで4羽のインコさんと生活しています。 インコさんと一緒に過ごす中で、様々な困りごとを経験してきました。 そしてそれをいろいろな方法で解決して、今ではインコさんととても仲良く暮らしています。 これまでの自分の経験を活かして、インコ好きさんのインコライフをさらに楽しいものにしたい。 インコさんと「生涯の相棒」と呼べるような関係性をゆっくりと楽しんでもらいたい。 そんな気持ちで情報を発信したりイベントを企画したりしています。 「ずっと、いっしょに、生きていく」 生涯の相棒インコと寄り添える生活を愛鳥家さんと一緒にデザインしていきます。

PAGE TOP