以前のブログで、「鳥さんは体調の不調を隠す生き物」といったお話をしました。
野生の世界では、体調が悪そうにしているものがまっさきに天敵から狙われます。
そのため、鳥さんは体調が悪くてもいつも通りに振る舞います。
その習性はインコさんにも根強く残っており、インコさんをちょっと見ただけでは体調の変化に気付けない場合があったりします。
そんな中、インコさんの体調の変化を見抜く方法として、体重測定や心音を聞くこと、飲水量を測るといったものも紹介してきました。
いくらインコさんが不調を隠して元気そうに装っていても、体重や心音や飲水量にまでは嘘をつけません。
今回はもう1つ、鳥さんの体調不良だけでなく、インコさんの普段の生活を知ることができる方法をご紹介しようと思います。
それは、「ケージの底面を見る」というものです。
うちの鳥共のケージの底面を見てみましょう。
底面を見てわかることは、「うんちとおしっこの状態」と「鳥さんがいつもいる場所」です。
まず、「うんちとおしっこの状態」ですが、うんちの色や、うんちの質(柔らかさ)、おしっこの量といったことがわかります。
うんちの色は、食べているものによっても色が変わりますが、いつも同じものを食べているのに明らかに色が変わったといったことがあれば、何か体内で変化が起きている可能性があります。
うんちの質も同様です。
鳥さんはうんちとおしっこを同時に排出するので、下痢なのか多尿によってうんちがべちょべちょしているのかの判別がつきにくいです。
おしっこの量も含めて、こういった変化は病的な理由も考えられますが、発情によっても起こりえます。
普段からうんちの状態を見ておくことで、早い段階でちょっとした違いが起きても気付けると思いますし、総合的な鳥さんの様子を見ることで「これは早めに病院に連れて行った方がいいな」という判断材料になると思います。
もう1つの「鳥さんがいつもいる場所」ですが、うんちやおしっこが集中しているポイントの真上に鳥さんがよくいることが多いと言えると思います。
鳥さんは自分が心地よいと思うポイントで、羽繕いをしたり顔を背中にうずめて寝たりと長く滞在します。
そして、鳥さんの行動を見ていると分かると思いますが、鳥さんは何か行動をし始めるタイミングでよくトイレをします。
なので、うんちやおしっこしてあるポイントは、「さて動こうか」と動き出す直前にいたポイントである可能性が高い、つまり、長く滞在するのに適した鳥さんのお気に入りのポイントだということが言えると思います。
うんちやおしっこが集中しているポイントを見ることで、普段鳥さんがどの場所でくつろいでいるのかを知ることができます。
普段鳥さんがくつろいでいる場所がわかったら、もしかしたらそこには特に新しいおもちゃは設置しない方がいいかもしれません。
楽しんでもらえる慣れたおもちゃであればいいかもしれませんが、慣れていない新しいおもちゃを設置した場合、そのおもちゃの存在が怖くて、くつろげなくなってしまうかもしれないからです。
また、例えば、「寒くないように」と思ってヒーターを点けているのに、ヒーターの近くにうんちがないようであれば、もしかしたらヒーターの近くが暑すぎてヒーターから遠ざかっている可能性があるかもしれません。
その場合、ヒーターの場所を変えてみたり、ヒーターの設定温度を下げてみたりといった対応が必要になるかもしれません。
このように、鳥さんのうんちやおしっこのポイントを見ることで、鳥さんの普段の行動だけでなく、鳥さんのケージ内の環境をより良くするヒントを得ることもできると思います。
ぜひみなさんもケージの底面を見てみてください。
鳥さんの健康についてのことだけでなく、他にもたくさんのことが見えてくると思います。
※音声が出ますのでご注意ください