クリッピング(インコさんの羽根を切って飛べないようにすること)をしてあったとしても、お出かけ先で不用意にキャリーの扉を開けるようなことはしないことをオススメします。
というのも、「キャリーの扉を開ける」というタイミングで、インコさんは飛びたくなるものなのです。
平和的なセレモニーなどでよく鳩が飛んでいく演出があったりしますよね。
あれって別に、誰かが鳩に「ほら飛べ」なんて言って合図を送っているわけではありません。
単純に「鳩が入っていた箱の扉が開いた」だけなんです。
鳥さんには
1.暗いところから明るいところに向かって飛びたがる
2.狭いところから広いところに向かって飛びたがる
という性質があります。
セレモニーの鳩も、箱の扉が開いたことで、暗い箱の中から明るい外が見えた&狭い箱よりも広い世界が目の前に広がったことを察知し、鳥さんの生態に従って飛び立ったわけです。
キャリーに入っているインコさんも同じです。
明るさこそキャリーの中と外で変化はないものの、キャリーの中の「狭い空間」から扉の外にある「広い世界」というギャップはどんなインコさんでも感じるはずです。
それに加えて、お出かけ先であるために、インコさんは緊張状態、極端に言えば軽いパニック状態なのです。
そんな心境の中、狭いキャリーの扉が開いて目の前に広い景色が現れたら、そりゃバッ!と飛び立ちたくなるのも無理はないかもしれません。
クリッピングをしていたとしても、パニック状態のインコさんは何をするか分かりません。
空を飛べないにしても、歩くのとは比較にならないほどのスピードで移動します。
人もパニックになっているので、落ち着いた対処ができない可能性が高いです。
そうこうしているうちにインコさんを見失ったり、例えば車通りの激しい道路に飛び出させてしまったりと、インコさんを命の危険にさらしてしまいかねません。
「クリッピングしてあるから、ちょっとだけキャリーを開けて中のお水を換えても大丈夫」
「クリッピングしてあるから、扉を少し開けてインコさんを触ってみてもいいよ」
そんな感じでクリッピングを過信しすぎないでください。
「クリッピングしていてもロストする危険性はゼロではない」ということを常に頭の片隅に置いておいてください。
※音声が出ますのでご注意ください