ヨウムの空ちゃん、ウロコインコのマメちゃんと「握手」のトレーニングをしているときの様子です。
「ここに来て」や「ターゲットトレーニング」は、インコさんの行動をコントロールすることに役立ちますが、「握手」は、生活の中で直接役に立つコマンドではありません。
「握手」=「足に触られることに慣れる」=「爪切りを容易にするための練習」…ということにも繋がらなくはないですが、「握手」ができるようになったからと言って劇的に爪切りが簡単にできるようになるわけではありません。
そんな「握手」ですが、このコマンドを教えることがまったくの無益というわけでもありません。
というか、この「握手」に限らずどのコマンドもそうですが、トレーニングをすることの一番のメリットは、インコさんと飼い主さんの関係性構築に役立つということです。
トレーニングをすることで「飼い主さんは何をしてほしいんだろう?」と飼い主さんの行動に集中する癖がつきます。
それは飼い主さんの気持ちを汲み取る練習にもなります。
もっと言えば、お互いに黙っていても気持ちが通じ合うということに繋がります。
「あくしゅ」といった声と行動を紐づけて記憶することを促します。
それは賢いインコさんの脳への刺激になります。
例えば「握手」で言えば、片足で立つことを強要するので、体幹のトレーニングにもなります。
トレーニングを重ねてそれまでできなかったことができるようになることで、インコさんは達成感を得ることができます。
トレーニングの中で飼い主さんから褒められてごほうびがもらえます。
ごほうびがもらえることで、「あ、この人はいいことをしてくれる人だ」という印象がインコさんの中に育まれていきます。
こうやって書き出してみると、トレーニングという行動を通して、多く面でたくさんのいいことが起きるのが分かると思います。
インコさんの精神、筋力、頭脳への刺激、満足を与えるだけでなく、飼い主さんとの関係性構築が進みます。
トレーニングは、そのコマンドができるようになることが本当の目的なんかじゃないんです。
コマンドができないままでも別に構わないんです。
インコさんと飼い主さんが一緒に遊ぶ時間を持つことで、ふたりの間の関係性が作られること。
これが一番重要なのです。
※音声が出ますのでご注意ください