前回のブログで、「鳥さんに噛まれることを恐れてはいけない」というお話をしました。
鳥さんに噛まれることを恐れていると、鳥さんが「噛んで脅せば自分の思い通りになる」と学習してしまい、その結果、自分の要望を押し通すために噛むという行動をする可能性があるというお話でした。
詳しい内容が気になる方は、下のリンクから読んでみてください。
さて、今回のブログですが、もう1つ「鳥さんに噛まれることを恐れてはいけない理由」があると思っているので、その話をしようと思います。
「鳥さんに噛まれることを恐れることで鳥さんとの関係によくない影響が生じてしまう」
それは前回のブログと同じです。
ただ、よくない影響の内容が前回と異なります。
前回は噛まれることを恐れることで鳥さんが威張ってしまうというものでした。
今回お話するのは、噛まれることを恐れることで鳥さんが「寂しい気持ち」になってしまうというものです。
「鳥さんが寂しい気持ちになる」とはどういうことか、お話していきますね。
私はヨウムの空ちゃんと一緒に暮らし始めた当初、噛まれることをとても恐れていました。
私にとって空ちゃんは初めての大型インコさんです。
大型インコさんの噛む力は、一緒に暮らしているコザクラさんやウロコさんの噛む力とはワケが違うと思っていました。
実際、空ちゃんには何度か噛まれたことがあり、そのたびにボタボタと血が流れるレベルで深い傷ができました。
そういった経験からも、空ちゃんのくちばしを「怖いもの」という目で見てしまっていました。
そんなあるとき、パーチにとまっていた空ちゃんが私のところに来たそうな素振りをしました。
私は空ちゃんのところに行って手を近づけました。
すると空ちゃんは、私の手に向かってくちばしを開いて迫ってきました。
私はとっさに(噛まれる!!)と思い、手をサッと引きました。
そんな私の行動を見た空ちゃんは、急に寂しそうな顔をしました。
「噛むつもりなんかないよ…」
「手に乗るためにくちばしを使ってヨイショって移動しようと思っていただけなのに…」
「オレのこと、そんなに信用できない?」
そんなことを言っているような表情でした。
そのときに私はハッとさせられたんです。
「私がこの子を信じてあげられなくてどうする」
「鳥さんを信じるからこそ、鳥さんも私のことを信じてくれるんじゃないのか?」
私は心の隅っこで信じてきれていなかった空ちゃんに「ごめんね」と言って、引っ込めてしまった手を差し出しました。
すると空ちゃんは、噛むことなく優しく私の手に乗ってきてくれました。
この経験から、私は噛まれることを恐れているのは鳥さんに対して失礼だよな…って考えるようになりました。
何度も噛まれていると、「また噛んでくるかもしれない」と不安に思ってしまうと思います。
でも、鳥さんに対してそう思っているということは、鳥さんのことを信じていないということになると思います。
鳥さんのことを信じられない間は、鳥さんも心を開いてくれなくて当然だよなって思うんです。
かの有名な戦国武将である武田信玄はこんな名言を遺しています。
【こちらが信頼してこそ、人は尽くしてくれるもの】
これは人と人との関係のことを指して言った言葉です。
でも私は同じことが人と鳥さんの関係にも言えるんじゃないかって思うんです。
人が鳥さんを信頼することで、鳥さんも人を信じて尽くしてくると思います。
「噛まれることを恐れていたのでは、信じあえる関係になんてなれない」
私はそう思って鳥共と接するようにしています。
鳥さんとの信頼関係を築くために、まずは自分が鳥さんのことを信じる。
「噛まれるんじゃないかな…」と鳥さんを恐れるのではなく、「この子が噛んでくることなんかない」「もし噛まれたらそのときは仕方ない」と鳥さんに委ねる。
そんな気の持ちようが大事だったりするんじゃないかな…なんて思います。
※音声が出ますのでご注意ください