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【幸せを再認識】『あなたとインコさんは奇跡の関係だ』というただの事実

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唐突ですが、あなたとあなたの鳥さんは奇跡の関係です。

「うわぁ…先週に引き続き、またスピリチュアル的なこと言ってる…」

そう思われた方もいるかもしれません。
でも今回はスピリチュアルでもなんでもなく、本当のお話をさせていただこうと思います。
(「じゃあいつもは本当の話じゃないのね」とか言わない)

私は以前、犬君にコマンド(芸)を教えていたことがあります。
犬君にコマンド教えるときって、犬君の習性を利用することが多いんです。

例えば、「おいで」を犬君に教えるとき、どうするかご存じですか?

「おいで」を教えるときは、「おいで」という掛け声とともに、人が犬君から遠ざかるんです。
犬君は、本能として「逃げるものを追う」という習性を持っています。
なので、人が遠ざかることで自然とその人を追おうとします。
「おいで」という合図を送ってすぐに人が遠ざかるという動作を繰り返すことで、「おいで」と言われたら人のところに向かうという癖がつきます。
そうやって犬君に「おいで」を教えていくと、自然に無理なく教えることができるのです。

では、超基本的な「おすわり」の教え方はどうでしょうか。

「立っている犬君のお尻あたりを強く押して座らせる」という方法もありますが、その方法は犬君の腰を痛める可能性があるのであまりおすすめしません。
身体への負担なく自然に犬君に「おすわり」を教えるためには、犬君の大好きなごほうびを鼻先に近づけて、犬君が上を向くように誘導します。
犬君は首だけを動かして見上げるという動作が難しいので、自然とおすわりの姿勢になって上を向きます。
こういったやり方によって、犬君は自然に「おすわり」の姿勢を取ることができます。
その姿勢と「おすわり」という号令を紐づけてあげることで、犬君は「おすわり」というコマンドを学習していくのです。

このように、犬君へのトレーニングは、犬君の習性を活かして行います。
習性を活かすことで、自然に無理なくコマンドを教えることができるのです。

では、鳥さんにスポットを当てて考えてみましょう。

例えば、鳥さんに「おいで」を教えるとき、どうやって教えたらいいと思いますか?

犬君に教えるときは、犬君から遠ざかりながら教えるとお話しました。
では、同じように鳥さんから後ずさりすれば、鳥さんはやってきてくれるでしょうか?
答えは「ノー」です。
鳥さんから遠ざかったからといって鳥さんからやってきてくれることはありません。

では、鳥さんに「おすわり」…は難しいから「ニギコロ」を教えるとして、それってどうやったらできるでしょうか。

鳥さんの習性的に「こういうことをやったら自然にニギコロの体勢になる」なんてことはないと思うんです。
いくらごほうびで釣ったところで、ゴロンと横になったり仰向けになったり、そんなことはしないと思うんです。

このように、犬君と鳥さんのトレーニングには、大きな違いがあると私は考えています。
犬君は習性的だったり本能だったりを利用してトレーニングを行うことができます。
でも鳥さんはそういったことが利用できないと思っています。

利用できないどころか、鳥さんの習性や本能は、トレーニングの足かせになりかねません。
というのも、鳥さんは攻撃するための武器を持っていない「被食者」側(食われる側)の生き物だからです。
鳥さんは危うい存在からは基本距離を置いて生活します。
「何があるか分からないものには近づかない」という鳥さん習性、本能は、人とのトレーニングを邪魔する要素になりうるのです。

それでも、鳥さんに「おいで」と言えば来てくれるようになったり、ニギコロをさせてくれたり、鳥さんは飼い主さんの言うことを聞いてくれるようになりますよね。
習性的、本能的な面からトレーニングに向かないと思われる鳥さんが、そのように言うことを聞いてくれるようになってくれるのはなぜなんでしょうか。

それは単純に、飼い主さんとの間に信頼関係あるからなのだと、私は思っています。
鳥さんが「この人は大丈夫だ」「この人のことは信用できる」と思ってくれているから、なんなら「わたしはこの人が大好きだ」という気持ちから、あなたの言うことを聞いてくれるんだと思うんです。

こういう話を聞きながら、「いやいや、うちの鳥さんは芸とか何もできないです」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
でも私は、「言うことを聞いてくれる」って、なにも芸をしてくれるかどうかってことばかりではないと思っています。
ケージ越しに顔を近づけたら鳥さんが寄ってきてくれるっていうだけでも十分だと思っています。
だって、「鳥さんを見たい」という気持ちであなたが近づいたときに、その姿をちゃんと見せてくれるために鳥さんが近寄ってきてくれるなんて、それはまさにあなたの要望を鳥さんが叶えてくれたってことですもの。
それって十分「言うことを聞いてくれる」ってことだと思うんです。

自然界のことを思い返してみてください。
外を歩いているときに、「鳥さんを見たい」って思ってスズメやカラスに近寄ったら、みんな逃げますよね。
これは、先ほどもお話をした「鳥さんは被食者だから危うい存在から距離を置く」という鳥さんの習性に則した行動です。
人に近づかれたら逃げるというのが鳥さんの当然の行動なのです。
そうであるのにも関わらず、飼い主さんが近寄ることで鳥さんも近づいてきてくれるわけです。
それって言わば鳥さんの習性に反する行動なんです。
習性に逆らった行動をするって、単純に考えてすごいことだと思います。
だから私は、鳥さんの方から寄ってきてくれるきてくれるだけでも十分すごいことだと胸を張っていいと思うわけです。

人から逃げずに近寄って来てくれる。
手を出しても逃げずにカキカキさせてくれる。
「おいで」って言ったら手に乗ってきてくれる。
手の中で大人しくニギコロされちゃう。

それって、習性を使って癖づけてトレーニングする犬君との関係性より、もっとすごいことだと思うんです。
鳥さんが言うことを聞いてくれるのは、条件反射とかではなく、心の底から「この人と一緒にいたい」「この人と一緒にいると楽しい」って鳥さんが思ってくれているっていう証だと思うんです。

そんな風に考えると、自分と鳥さんとの関係性を誇らしく思えることはできるんじゃないかなと思います。

本来人から逃げる鳥さんが、今はあなたと寄り添う関係にある。
それって本当に奇跡の関係だと思います。
今の鳥さんとの関係は当たり前なんかじゃないってことを意識してみてください。
きっと、より鳥さんのことを愛おしく感じられるようになるんじゃないかと思います。

※音声が出ますのでご注意ください。

鳥月 羊

鳥月 羊

伴鳥家(はんちょうか)の鳥月羊です。 小型から大型まで4羽のインコさんと生活しています。 インコさんと一緒に過ごす中で、様々な困りごとを経験してきました。 そしてそれをいろいろな方法で解決して、今ではインコさんととても仲良く暮らしています。 これまでの自分の経験を活かして、インコ好きさんのインコライフをさらに楽しいものにしたい。 インコさんと「生涯の相棒」と呼べるような関係性をゆっくりと楽しんでもらいたい。 そんな気持ちで情報を発信したりイベントを企画したりしています。 「ずっと、いっしょに、生きていく」 生涯の相棒インコと寄り添える生活を愛鳥家さんと一緒にデザインしていきます。

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