インコさんに人の手に慣れてもらうことはとても大事なことです。
インコさんの行動をコントロールしやすくなりますし、例えば病院で診察してもらうときや爪切りをするときなどのインコさんの身体を触る必要があるときにインコさんの心的負担を減らすことに繋がります。
インコさんに無理なく人に触れられることに慣れてもらうために、ケージ越しに触るという方法があります。
ケージで守られている状態なので、必要以上に手が迫ってくる心配がなく、また嫌だと感じれば簡単に手から離れることができます。
そのため、インコさんは自分に無理のないペースで、かつ、安心して手と触れ合うことができます。
まず、人の手が苦手で、手を近づけると逃げてしまうインコさんの場合、まずはケージに手を近づけて動かさずにただそのままにしておくところから始めるとよいと思います。
ケージ越しに手に近づくことができるようになったら、手からごほうびをあげるのも効果的です。
すでに触ることができるインコさんで、触れるポイントを増やしたい場合も、ケージ越しに触る練習をするとよいと思います。
最初のうちはちょっと触ってみてすぐやめる感じで進めてみてください。
ケージに帰ったあとの遊びの延長のような感じで楽しくやってみるのがいいと思います。
手を怖がってしまうインコさんにしろ、箇所によって触られるのが苦手なインコさんにしろ、触られても嫌がらないようになってもらうためには、「触られてもなんてことない」という経験をたくさん重ねることが大事です。
「人に触られたけど別に嫌なことは起きなかった」という経験を積み重ねることで、触れられることに対する恐怖心は薄れていき、「触れられても(嫌なことは起きないから)大丈夫」と信用してもらうことができます。
加えて、触れたらごほうびがもらえたり、ほめてもらえたり、カキカキされて気持ちよかったりといった経験をして、「触られることでいいことが起こる」と理解してもらえれば、触られるのが好きになってくれます。
ただ、インコさんによっては、「ケージは自分のテリトリー」という意識が強い子もいます。
その場合、自分のテリトリーに他のものが近づくことを嫌がります。
手に慣れてもらうためにケージ越しに触ろうとしたのに、「オレのテリトリーに近づいてきやがった!」と近づいてきた手を敵だと勘違いしてしまうこともあるかもしれません。
それでは手に慣れてもらうのに逆効果になってしまうので、ケージ越しの練習が効果的かどうかはインコさんの様子を見ながら進めることが重要です。
何にしろ、一番大事なことは「触られても嫌なことは起きない」とインコさんに分かってもらうことです。
触られても何も起きないと理解してもらえれば、徐々に触られることに慣れてくれるはずです。
インコさんのペースに合わせて、手に対する恐怖心、触られることに対する嫌悪感を無くして、ベタベタな馴れ鳥さんを目指しましょう。
※音声が出ますのでご注意ください