前回、前々回とシードとペレットのお話をしてきました。
その話を読んで、「うちもペレットにしてみようかな」なんて思われた方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、ペレットの回でもお話している通り、ペレットは人工物なので鳥さんがなかなか食べてくれません。
そこで今回は、シード食からペレット食への切り替えの方法についてお話したいと思います。
実は、うちのトリちゃんはもともとシード食でした。
サザナミインコのあおさがブリーダーさんのところでペレットで育っていて、あおさをお迎えするタイミングでトリちゃんもペレット食に切り替えることにしました。
そのときにブリーダーさんから教えていただいて試した方法は、「日に2回、朝と夕方にご飯を与える。朝はペレットのみ、夕方はシードのみを与える」というものです。
意図的に空腹な時間を作って、ペレットを食べるように仕向ける感じです。
ペレットがまったく食べられないと、ほぼ半日何も食べない形になりますが、夕方に食べ慣れていたシードがもらえるので、そこで空腹を満たすことができます。
シードをあげるタイミングが朝ではなく夕方であるのは、寝る前にパワー補給をしてもらいたいためです。
寝ている間は、身体を動かさない(=寝ている)状態で体温をキープする必要があるため、結構パワーが必要なのです。
そういった理由から、夜はちゃんと食べてもらいたいので、慣れ親しんだシードは夕方のタイミングであげます。
こういったことを毎日続けることで、ペレットの存在にだんだん慣れていき、そのうち、「これ、食べてみようか」と鳥さんが試し始めるようになります。
「あ、なんだ、食べれるじゃん」って思ってくれる子であれば、結構早いうちにペレットに切り替わるかもしれませんし、「ゲ…あんまり美味しくないな…」って思う子であると、ペレットに切り替わるまでにはそれなりに時間がかかるかもしれません。
それでも、日常的にペレットがそばにあり、気が向いたときにペレットを食べるような生活を続けていくうちに、ペレットを食べられるようになります。
ペレットを残さず食べるようになったところで、夕方のご飯もペレットに切り替えて、ペレット食への移行が完了します。
ちなみに、ブリーダーさんの話では、早い子だと2、3日、遅い子だと3か月前後かかるとのことでした。
ただ、この方法をするためにはいくつか注意事項があります。
上記を読んでもお分かりの通り、ペレットが食べられないうちは必然的に食べる量が減るので体重も落ちます。
体重が落ちすぎると鳥さんの命に関わってしまうので、必ず、毎食前に体重測定をしてほしいのです。
ペレットへの切り替えを始める前、朝と夕方のご飯前の体重を何日か測って、その子の平均体重を知っておきます。
その上でペレットへの切り替えをスタートして、同じく朝と夕方のご飯前のタイミングで体重を測ります。
体重が維持できていればいいですが、元の体重より10%以上減ってしまいそうであれば、切り替えは一旦中止し、これまでのシード食に戻してあげてください。
それと、食べ残したペレットは毎回捨てて、新しいものを入れ替えるようにしてあげてください。
ペレットは酸化によって品質が落ちていきます。
1日放置したくらいでは問題ないですが、「ずっと食べなくてもったいないから」と何日も食べないペレットをそのままにしておくのはやめた方がいいです。
これらの注意事項を守って、鳥さんの健康を第一にして、ペレットへの切り替えを進めてみてください。
ちなみに、ペレットへの切り替え方法は他にも…
・ペレットとシードを混ぜて与えて、だんだんペレットの割合を増やしていく方法
・ペレットを粉末にして、大好きな果物や野菜に振りかけて与える
・飼い主さんが鳥さんにペレットを食べる様子を見せる(食べるふりをする)
・別の銘柄のペレットで試してみる
…といったものもあります。
「この方法ならどの子も必ずペレットに切り替えられる」という方法はありません。
有効な切り替えの方法は鳥さんごとに異なります。
でも、1つだけ確実に言えることは、「時間はかかるかもしれないけど、どこ子も必ずペレットに切り替えられる」ということです。
ペレット食に興味のある方は、上記の方法で試してみてはいかがでしょうか。
また、どうにもペレットへの切り替えが進まないという方がいらっしゃいましたら、お気軽に「Contact」からご連絡ください。
私でよければいくらでもアドバイスさせていただきます。
※音声が出ますのでご注意ください