想像してみてください。
「この飴あげる」って言われるのと、
「この飴の中から好きなのを選んでいいよ」って言われるの。
どちらが嬉しいですか?
どちらの場合も、自分がもらえるものは「1つの飴」です。
自分が得られる価値としてはどちらも同じです。
でも、「好きなのを選んでいいよ」って言われる方が、なんとなく嬉しくないですか?
その方が「どれにしようかなぁ♪」というワクワク感が得られますよね。
それに加えて、「あなたの好きにしていいよ」という状況から『幸福感』といったものも感じられると思います。
また、「あなたの決断に任せるよ」というところから『信頼感』といったイメージも感じられるかもしれません。
飴を1つもらうだけで『幸福感』とか『信頼感』とか少し大げさと思われるかもしれません。
でも、「好きな飴を選んでいいよ」と言われたときの裏側には、そんな心理的な要素もひそかに生まれているんじゃないかと思うんです。
鳥さんもそれと同じで、ごほうびとかおやつをもらうときに、「これをあげる」ってもらうよりも、いくつかあるおやつの中から「好きなのを取って」って選ばせてもらえる方が、幸せ度が高まるんじゃないかなって思うんです。
たくさんのおやつが目の前にあることでテンションが上がって嬉しくなるということもあると思います。
でもそれだけでなくて、鳥さんは「自分の選択を尊重してくれることを喜ぶ生き物」だと思うのです。
飼い主さんが「乗って」と手を出したときに、言われた通り手に乗るか、それとも、その気がないから手に乗らないか。
飼い主さんが「おいで」と呼んだときに、飼い主さんの肩に飛んでいくか、それとも、その場でのんびりしたままでいるか。
飼い主さんが「体重計に乗って」と頼んだときに、素直に体重計に乗るか、それとも、大好きな飼い主さんの手を離れずにそのままいるか。
そんな風に鳥さんは、いろいろなシーンで「選択」をしています。
そして、鳥さんがした選択を、「そうか、今はやりたくないんだね」、「わかったよ、じゃあまた後でやろうね」と、飼い主さんが尊重してくれることで、鳥さんは幸せを感じて、飼い主さんへの信頼感を深めてくれると思います。
いくつかあるおやつの中から自分の好きなものを取ってもらうという方法は、鳥さんに「選択する機会」と「その選択を尊重してもらう機会」を作り出すことに繋がると思います。
そしてそういった経験は、鳥さんと飼い主さんの間の信頼関係構築に良い影響をもたらすのではないかと思うのです。
おやつは多種多様なものを用意する必要はありません。
例えば、クルミ、ピーナッツ、ピスタチオ…といろいろなナッツを用意しなくても、クルミだけをたくさん用意しておくだけでいいと思います。
種類としては1つだけでも、よくよく見ると、大きいもの、肉厚なもの、いい匂いのするもの、美味しそうに見えるもの…と、1つ1つ違いがあります。
そういった中から鳥さんは「これだ!」と思ったものを選んでくれると思います。
そして、ワクワクしながら選択したものを飼い主さんから「食べていいよ♪」と受け入れてもらえるのです。
自分が選んだ決断を飼い主さんが受け入れてくれることは、鳥さんにとってとても嬉しく心強く思える経験に繋がると思います。
ただ、下の動画を見ていただいてもお分かりの通り、放鳥タイムに鳥さんに選んでもらう方法でおやつをあげると、「ちょうだいちょうだい!」と際限なくおやつを食べてしまうような事態に陥ることが考えられます。
なので例えば、鳥さんがケージに帰ってくれたときのごほうびとか、お留守番を頼むときの御駄賃代わりとか、おやつをあげる回数が1回で済むようなタイミングでやってみるのがいいのではないかと思います。
「この中から好きなのを取っていいよ」という形でおやつをあげて、鳥さんに楽しんでもらいつつ、鳥さんとの信頼関係を深める機会を作ってみる…なんていうのもいいのではないかなと思います。
※音声が出ますのでご注意ください
もしよかったら、今回のブログを読んでの感想をお寄せください。
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