私はうちの鳥共を自由に操れる『魔法の杖』を持っています。
その魔法の杖で「ここ!」とポイントを指し示すと、鳥共はみんなそこに集まってきます。
トリちゃんやマメちゃんは指示したところに飛んできてくれます。
飛ぶのがあまり好きではない空ちゃんと花ちゃんは歩いて確実に来てくれます。
鳥共の体重を測りたいときは、魔法の杖で体重計を指し示せば体重計に乗ってくれます。
鳥共を運動させたいときは、いろいろな場所にあるパーチを指し示すことで部屋中を飛び回らせることもできます。
そんな、鳥さんを操ることができる、この『魔法の杖』。
みなさん、欲しくないですか?
「欲しい!」と思われる方はいらっしゃると思います。
でもここで私は、ドモホルンリンクルさんみたいなことを言わざるを得ません。
そうです。
「申し訳ございませんが、ドモホルンリンクルは、
初めての方にお売りすることができません」
これです。
ドモホルンリンクルさんは、「まずは肌に合うかどうか試した上でご購入いただきたい」という想いがあってそういったキャッチコピーを謳われています。
簡単に売ることはできないのには理由があるのです。
私が鳥さんを操れる『魔法の杖』を売ることができないのにも理由があります。
うちの鳥共を操れる『魔法の杖』では、みなさんの鳥さんを操ることはできません。
みなさんに『魔法の杖』を使ってうちの鳥共を操ってもらおうとしても、やっぱりうまくできないと思います。
『魔法の杖』は、手に入れたらすぐに効果を発揮するというものではないのです。
『魔法の杖』は、あくまでも人と鳥さんとの間でゆっくり生み出されるものなのです。
だから、ここで言わせてください。
「申し訳ございませんが、『魔法の杖』は、みなさんにお売りすることができません。」(気持ちいい…)
『ただの指し棒』だったものが、人と鳥さんとの関係性によって魔法を帯び『魔法の杖』になっていくんだと、私は思っています。
というか、指し棒すらも要らないんです。
あなたの指さえあればいいんです。
あなたの指を目印に鳥さんが来てくれたら褒めてあげたりごほうびをあげたりすることで、あなたの指は『魔法の指』になっていきます。
指し棒にしろ指にしろ、鳥さんを操る魔法を生み出すために必要なのは、お金ではなく鳥さんとの時間です。
鳥さんと一緒に楽しむ。
鳥さんとただただ遊ぶ。
鳥さんとの信頼関係を築く。
そういった鳥さんとの時間が、飼い主さんと鳥さんとの間に魔法を作り出すんだと思います。
魔法の杖はお金では買えません。
それは、飼い主さんと鳥さんとの関係はお金に代えられないほど価値のあるものということでもあります。
指し棒やクリッカーなど、本格的なことを始めなくてもいいです。
鳥さんに話しかけて、鳥さんの気持ちに寄り添って、鳥さんとの関係性を築いてください。
そうすれば、きっとあなたと鳥さんの間にも魔法みたいな力が生まれるんじゃないかと思います。
※音声が出ますのでご注意ください