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【注:鳥さんの話です】『ゼルダの伝説』から学ぶクリッカートレーニングの仕組み

クリッカートレーニング

みなさん、『ゼルダの伝説』、やってますか?

え? 突然どうしたって?
いや、先々月(2023年5月)、ゼルダの新作が発売されたんですよ!
その名も…

『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ キングダム』

どこまでも続く広大な「大地」。
はるか雲の上の「空の世界」。
なんなら「地の底」までも?!
オープンワールドとして用意された美しく超広大な世界を翔けめぐり、謎解きと冒険の連続!

いやーーー、たまりませんねぇ。
え? 私ですか?
もちろん発売日当日から遊んでますよ。

分かっていたことですが、やることが多すぎてもう大変です。
主要キャラクターから「どこどこに行ってこれこれを調査して」と言われ、そこに向かっている途中に困っていそうな人を発見して、その人の話を聞いているうちに「はて? オレは何しにここに来たんだっけ?」と当初の目的を忘れ、「ま、いいや、今はとりあえず目の前の困った人の依頼をこなそう」と動き出したはいいが、またもや別の困り果ててる人に会い、その人と会話しているうちに先ほどの依頼の内容を忘れ……と。
もうね、今回のゼルダはアクションアドベンチャーゲームじゃなくて脳トレなんじゃないかと。
そんなことを思わせてくれるくらいにやることが次から次から溢れてきててんこ盛り状態。
7,000円以下でこの大ボリュームとか信じられない。
こんなタイトル出されちゃって、他のゲームメーカーは困っちゃうんじゃないの?
同じ値段だからってこれと同じボリュームを期待されたら太刀打ちできないもの。
それくらいやることが多すぎて、やろうと思えば年単位でずーーーっと遊べます。
いやホント、人の時間を奪う悪魔的なタイトルです。←誉め言葉です

……って、いい加減鳥さんのお話を始めましょう。

前作の『ゼルダの伝説 ブレス オブ ワイルド』に引き続き、今作にも「コログ」という妖精が登場します。

…って、「まだゲームの話かよ!」って思いました?
大丈夫です、ちゃんと鳥さんのお話になりますんで、とりあえず騙されたと思って読み進めてください。

「コログ」はゲーム内の世界のいろいろなところに隠れていて、見つけると「コログのミ」というものを1つくれます。
この「コログのミ」を集めることによって主人公であるリンクが装備できる剣や弓の保有数が増え、戦闘を優位に進められるようになります。

この「コログ」を見つける方法にはいろいろなパターンがあるのですが、そのうちの1つのパターンをちょっと見てみましょう。
下の動画をご覧ください。

※音声が出ますのでご注意ください。

ご覧いただけました?

「ん?なんだろう?」っていう感じのちょっと気になる花がある
  ↓
その花のところに行って触ってみる
  ↓
するとその花が消え、近くにまた別の花が現れる
  ↓
その花に触れると、またその花が消え、さらに別の花が現れる
  ↓
それを繰り返していくと最終的にコログを見つけることができる
  ↓
「コログのミ」をもらうことができる

文章にするとこんな感じです。

みなさん、もうお気づきですよね?
はい、その通りです。
これ、鳥さんのクリッカートレーニングと同じ仕組みなんです。

「は?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。
まぁまぁ、話を進めていきましょう。

みなさん、そもそも「クリッカー」というものをご存じですか?
「クリッカー」というのは、ボタンを押すとカチッという音がなるおもちゃ(?)です。
そして、この「クリッカー」を使ったトレーニングが「クリッカートレーニング」というものです。
鳥さんにコマンド(命令、芸)を覚えてもらうためにこの「クリッカー」を使います。
望ましい行動をしたときにカチッと「クリッカー」を鳴らすことで、鳥さんが効率的にコマンドを覚えてくれます。
鳥さんに限らず、「クリッカー」は犬君のトレーニングにも用いられています。
水族館のイルカのショーで、トレーナーさんがピッ!とホイッスルのようなものを鳴らしているのを見かけた覚えはありませんか?
音は異なりますが、あれもクリッカーと同じ効果を持ったものです。

さて、みなさんの中には「クリッカー」に対してこう思われている方がいらっしゃるんじゃないでしょうか。

「『カチッ』と鳴らすことで芸を覚えてくれるようになるとか意味がわからない」
「芸を覚えることと、クリッカーを鳴らすことって、どういう関係があるの?」

はい、そう思うのはとても自然なことだと思います。
ホント、意味わからないですよね。
「カチッ」と鳴らすと芸を覚えてくれるようになるとか、魔法じゃないんだからそんなわけないじゃんって思いますよね。
その気持ちは本当によくわかります。
でも実際、「クリッカー」は鳥さんにコマンドを覚えてもらうのにとても効果的なものなのです。

では、なぜ「クリッカー」がコマンドを覚えてもらうのに効果的なのか、クリッカートレーニングの仕組みってどうなってるの?…という疑問についてお話しようと思うのですが、ここで冒頭の「ゼルダの伝説」の話が生きてきます。
先ほどの「コログ」のプレイ動画を思い出してみてください。

「ん? なんだろう?」と不思議に思う花があって、それに触るとその花が消え、また別のところに花が現れ、その花をずっと追っかけていくと「コログのミ」がもらえる。

そんな感じのプレイ動画でしたよね。

この動画の中で注目すべき点が2つあります。
1つは、「何か起こるかも?」と思える『わかりやすい暗示』があること。
もう1つは、その先に『報酬』があることです。

私たち人間はーー「ゼルダの伝説」をやったことのある人間は特にーー不自然なところに何かがあると、「あれ、なんだろう?」と疑問に思います。
そして、「あんなところにあるってことは、きっと何か意味があるに違いない」と考え、それに調べに行こうという気持ちになります。
上の動画に出てくる「変わった花」は正にそれです。
柱の上に他では見かけない花が咲いているなんて、不自然でしかないですよね。
実際その花に触ってみると、花は少し離れた場所に移動します。
そういった「何かありそう」と思わせる『わかりやすい暗示』は、プレイヤーを行動に駆り立てます。

そして、その行動の先に「コログのミ」という『報酬』があります。
例えば、「変わった花」を見つけたものの、触っても剣で斬っても燃やしても何も起こらなければ、「なんだよ、なんでもないのか」ってなって、その後「変わった花」を見つけても、「あぁ、またあれか」って感じで素通りすると思うんです。
でも、「変わった花」を追いかけて行った結果「コログのミ」がもらえたのであれば、それ以降「変わった花」を見かけたら「あ! コログのミがもらえる!」という考えになり、また「変わった花」を追いかけるという行動をすると思います。

クリッカートレーニングもこれと同じなんです。
クリッカートレーニングにおける『わかりやすい暗示』は「カチッという音」であり、『報酬』は文字通り「ごほうび」です。

「変わった花」を追いかけて行くと「コログのミ」がもらえると分かったプレイヤーが、その後「変わった花」を意識するようになるのと同じように、「カチッ」という音の先に「ごほうび」がもらえると理解した鳥さんは、「カチッ」という音が鳴ることを意識するようになります。
そしてそんな鳥さんはこんなことを考えるようになります。

「ん? カチッと鳴ると、ごほうびがもらえるみたいだぞ?
 …って、どういうときにカチッて音が鳴るんだろう…?」
  ↓
「カチッ」と鳴ったときに自分がどんなことをやっていたのかを考える
  ↓
「もしかしたらこんな行動をしたらカチッて鳴るかも?」と仮説を立てる
  ↓
仮説に基づいてその行動をやってみる
  ↓
予想通り「カチッ」という音が鳴る
  ↓
「あ! やっぱり! この行動をするとカチッて鳴る!」と確信する
  ↓
「ごほうびもらうためにこの行動をしよう♪」

こうして「これやったらごほうびもらえる♪」と理解した鳥さんは、その行動を楽しんでやるようになります。

これがクリッカートレーニングの仕組みです。

「カチッを鳴らすだけで芸を覚えるようになるなんて意味がわからない」と、クリッカートレーニングのことを謎に思われていた方、納得できましたでしょうか。

…って、ここまでの話を読んで理屈は分かっていただけたかもしれません。
でも、「そんなにうまくいくものなの??」とまだまだ眉唾物に思われている方も多くいらっしゃるんじゃないかなと思います。

というわけで、次回はうちの鳥共に協力してもらって、実際にクリッカートレーニングをしている様子をお見せしようと思います。
実際の様子を見ていただければ、もっと具体的にクリッカートレーニングについてのイメージを理解していただけるんじゃないかなと思います。
イメージがつかめれば、「へぇー、じゃあうちもやってみようかな」なんてちょっと興味を持ってもらえるかもしれませんし、うまくいけば鳥さんが今以上に言うことを聞いてくれるようになるかもしれません。
そうなってくれたらこうやって記事を書いている私も嬉しいですから。

というわけで次回、「ゼルダの伝説 ゲルドの街攻略編」……じゃなかった……「クリッカートレーニング実践編」に続きます。

鳥月 羊

鳥月 羊

伴鳥家(はんちょうか)の鳥月羊です。 小型から大型まで4羽のインコさんと生活しています。 インコさんと一緒に過ごす中で、様々な困りごとを経験してきました。 そしてそれをいろいろな方法で解決して、今ではインコさんととても仲良く暮らしています。 これまでの自分の経験を活かして、インコ好きさんのインコライフをさらに楽しいものにしたい。 インコさんと「生涯の相棒」と呼べるような関係性をゆっくりと楽しんでもらいたい。 そんな気持ちで情報を発信したりイベントを企画したりしています。 「ずっと、いっしょに、生きていく」 生涯の相棒インコと寄り添える生活を愛鳥家さんと一緒にデザインしていきます。

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